【専門病院の診察の日】2026.1.24
月に一度の専門病院の診察に行ってきた。以前は一人で運転して行けたが、今では危なっかしい。妻は体調が悪くて寝ているので友人が運転してくれた。あかりも同行。
病院は広い。あちこち検査のために移動しなくてはならず、歩くとふらふらになる。酸素吸入器をつけながら車椅子を使う。1年前とは比べものにならないほど病状は進行している姿だ。昨年は、入院の時、本を60冊も手に持って病室まで運んでいたからね。
血液検査では、なかなか血がたまらない。血圧が低いからだという。いつも上は100に届かないからなあ。それからレントゲン。
「大きく息を吸って」と言われるが、もう大きく息を吸えない。肺に空気を貯める余裕がない。なかなか絶望的な気分になるよ。なにしろ健康な人の3割以下の肺活量なんだもの。
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専門の医師の診察を受ける。
睡眠と栄養状態、酸素濃縮器の使用頻度などについて話した。
「不可逆性」――線維化した肺は元には戻らない。「オフェブ」という薬で超低空飛行ながら、この状態を維持しようという話になった。
私はこれまで多くの人にインタビューをして記事を書く仕事をしてきたので、それが癖になっている。自分のことよりも、医師の考え方や人生経験を聞くのがおもしろい。
医療者との関係は「治療を受ける」だけではない、知的で対等な「語り合い」の場にしてしまう。
なぜ呼吸器内科を選んだのか、スーパーローテーション(新臨床研修医制度)ではどこを受けたのか、優秀な人が外科よりも皮膚科を目指す傾向についてどう思うか、など。
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そもそも一年前、初診のときは、医師に「なぜワクチンを受けないのか?」と聞かれ、「どうして受けなければいけないのか」とやりあったのが始まりだった。
お互いが主張の根拠となるデータを出し合って議論したものだ。今となっては勝敗は言うまでもないと思っているが。
昨年起きた東大の皮膚科教授と業界との癒着事件や裁判の行方、今度の選挙の見通しなど、診察というよりそちらの話で盛り上がった。
東大の皮膚科教授と「日本化粧品協会」との癒着事件、接待強要・恐喝疑惑はなかなか面白い。協会側が東大と教授らを相手取り、約4,200万円の損害賠償を求めて提訴。東大医学部全体の信頼性や、今後の産学連携のあり方にも大きな影響を与える。新たな『白い巨塔』として描けそう。
今度の衆院選挙についての見通しも話した。高市氏が勝利したらどんどん攻めてくるんじゃないか、特に高額療養費制度を削ってくるかもしれない、やがては健康保険制度にもメスが入るかもしれない、といった話だ。
じゃあ「中道」はどうなんだろうね。まだ中道のほうがマシかもしれない。私は「チーム未来」が面白いと思うんだけどね。うん、そうかもね。
とにかく今回の選挙は全く読めない。自民党が大勝利するかもしれないし、「中道」が勝つかもしれない。まったく予測がつかないというところで話は終わった。
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帰りに友人の家に寄った。アパートの3階なので、酸素吸入器を下げながら歩いたが、まあ大変だった。
半年前は楽々に登れた階段が、今は3階に着くともう横になってしまい、しばらく立ち上がれなかった。昼食をごちそうになった。美味しいうどんとそば粉のケーキ、チーズケーキ。あかりは喜んでいた。
こうして出かけることでいろんな人に出会い、語り合う場が生まれるのはやはり楽しい。知的好奇心が衰えることはない。ただ、もうあちこち寄れる元気はないんだな。
あかりと花札やお手玉で遊んだ。こうした小さな場面が、もう二度とは訪れることはないし。これからどんどん貴重になっていくんだなあと思ったよ。