過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

【②ドル交換とドーベルマン】2026.1.22

【②ドル交換とドーベルマン】2026.1.22

うわっ、これはかなわない。とても勝ち目がない。戦って勝てるわけがない。
逃げても簡単に追いつかれて噛みつかれる。万事休すかと思った。
しかし、そんなことでサリーを買うのは悔しい。
さて、どうしたものか。

まずは落ち着け、落ち着け。
腰を下ろし、ゆったりとした態度を取った。
逃げるでも、屈するでも、闘うでもなく「場の空気」を変えることで力関係そのものを溶かしてこうとした。

男と雑談することにした。
「この犬のおちんちんは随分大きいね」みたいな話をして笑い合う。
しばらくやりとりしていると、まあ親しくなってきた。

こうして10分か20分おしゃべりしただろうか。
すると、ドーベルマンは「主人とこの人は友達なんだ」と思ったのだろう。
なんとなく大人しくなった。私が触ろうとしても警戒せず、触らせてくれる。

こうして恐ろしい犬とも男ともフレンドリーになったところで、
「じゃあ、そんなわけでまた来るよ」と静かに、風のように店を後にしたのだった。
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まあ、そういうようなことがインドではわりかしある。
もとより「君子危うきに近寄らず」がいいのだが、どうしても好奇心のために危ない橋を渡ろうとする。すると、やはり危ないことがある。

そんな時こそパニックにならず、まずは落ち着く。
まずは座って語り合う。言葉も荒らげない。
「コミュニケーションで解決できないことは一つもない」という姿勢でやり取りをする。
そうすると、何とか道が開ける。

そういう体験がインドで培ってきた危機を突破し、困難を乗り越える力になっていった。

インドの旅は単なる観光ではなく、人間としての成長し、体験という宝を得る機会となった。「人間力の鍛錬場」としてのインド、こういう予期しない体験は次々と起きていった。