【③サイババ訪問記】2025.12.2
初訪問では食あたりと火事、二度目の訪問では尋問と門前払い。
「開かれた聖域」のはずの場所が、実際には疑念と警戒に満ちていた。
サイババのアシュラムへの2度目の訪問(おそらく2001~2002年頃)である。
今回は、夕方にプッタパルティに着いた。
アシュラムに泊まるつもりで事務所に行ったが、なぜか門が閉ざされたままで開けてくれない。
スタッフは「今日はどこに泊まっているのだ?」と聞いてくる。
ゲストハウス名を答えると、なぜか「じゃあ一緒に行く」と男は後ろからついてきた。そのゲストハウスで私の宿帳とパスポートを確認して帰っていった。どうにも怪訝な雰囲気だった。
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翌朝8時頃にアシュラムに行く。私が入ろうとすると、とそれまで開いていた門が閉められる。門の前で10人くらいのインド人スタッフに囲まれ、中に入れてもらえなかった。
「お前のグルは誰だ?」「高橋と関係があるのか?」
と聞いてくる。
「私には特にグルはいない。サイババはリスペクトしているけど」と答えた。しばらく問答が続いた後、やっと中に入れてくれた。
「なんでこんな扱いを受けたんだろう?」
不思議に思って、日本人の長期滞在者に聞いてみた。すると次のようなことがわかった。
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「ライフスペース」という日本の自己啓発セミナー団体(代表:高橋幸二)が、かつて『サイババの直弟子』だ、特別にサイババからの使命を得ていると称して日本で信者を集めていた。
その高橋がアシュラムに来たとき、黒い特別なローブを着て目立った動きをしていたようだ。サイババが「私はあんな者を弟子にした覚えはない」と彼を完全に否定し、アシュラムから追放した。
すると高橋の弟子が「そんなことをしたら、このアシュラムを破壊してやる」と捨て台詞を吐いて帰ったらしい。
そのため一時期、日本人男性で独りで来ている人=ライフスペース関係者かもしれない、と警戒されることがあった、というのだ。
なるほど、私はそれで疑われたのだとわかった。
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サイババのダルシャンは、またしても縁がなかった。
私にはどうも派手なもの、大きなもの、組織化されたものよりも、地味で、小さく、個人的なものへの共鳴があった。「特別さ」の演出にも、違和感はあった。
まあしかし、そんなことも含めてインドはおもしろい世界と味わい深かった。
補足:その後の高橋幸二
高橋幸二は「ミイラ化した信者の遺体を生きていると主張し続けた事件」(通称:ライフスペース事件2002年)で逮捕された。2003年に懲役7年の判決が確定。
記者会見での「定説です」「それはサイババの勝手なんですよ」などの迷言で知られる。
1995年のオウムのサリン事件後に、またしても「グル」を名乗る人物が引き起こした事件として大きく報道された。「グルを持つこと」の危うさも教えていた。