過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

【⑩スマナサーラ長老外伝:ひろさちやとの対談】2025.11.13

【⑩スマナサーラ長老外伝:ひろさちやとの対談】2025.11.13

当時、私の仕事といえば、国士舘大学の同窓会新聞を年に2回発行するだけで、あとはインドばかりを旅していた。

ちゃんと働いていないのだから、貯金も底をつきかけていた。

「そろそろ真面目に仕事を見つけなければ」と思い始めたが、再びサラリーマンに戻る気にはなれなかった。

「いったい、自分に何ができるんだろう?」そこでひらめいたのが、長老の本を出版することだった。

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「そうだ、ひろさんとスマナサーラ長老の対談を企画し、それを本にしよう」ひろさちやさんは、宗教評論家としてわかりやすく仏教を説く方として著名であった。テレビにもよく出ていたし、著書も500冊くらいあったと思う。

そのひろさんとは、インドのカルカッタ空港で偶然出会ったことがあった。その際に電話番号を教えていただいていた。

早速、ひろさんと長老双方に電話で企画を持ちかけると、「ああ、いいですよ」と快諾された。

次は出版社探しだ。以前、美輪明宏さんの人生相談の取材を佼成出版社から請け負った縁があったため、思い切って電話してみた。

すると編集部は即座に「ぜひお願いしたい」と快諾。企画書すら必要なかった。この決定には、ひろさちや先生のネームバリューが大きく影響していた。そして当時のスマナサーラ長老は、まだ無名に等しかったのである。

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ひろさんの提案で、「事前打ち合わせは一切なし。いきなりの対談のほうが面白い」という方針が決まった。

こうして2000年5月、帝国ホテルのスイートルームで、初対面同士のガチンコ対談が実現した。司会進行役を務めたのは、編集経験も司会経験もない、まったくの素人である私自身だった。かなりスリリングな役回りで、緊張した。

「偶然」と「勢い」と「素人魂」が織りなす出版秘話でもあり、どこか風まかせのようでありながら、そこに“導かれるような流れがあったことも事実だ。(次号へ)