【③心霊】2025.11.9
40年余も前のことである。
つきあっていた女性が声楽家で、霊的に憑依されやすい体質だった。
パワフルな神社や仏閣がある場所へ行くと、まだそこに着いていないのに、途中でヘナヘナと倒れそうになる。パワースポットに行く途中で力尽きる。生きた霊障センサーのようであった。
二人きりでいると、突然、私が鳥肌が立つ。
そういうときには、彼女に霊的なものが憑依しているようであった。
すでに私を見る目が、違う世界から見ているような眼差しになる。
「ずっと待っていた……」
というようなことを言う。前世から、そのまた前世から、私に会うのを待っていたという。
「どうしてなの? どういう理由で?」
と、その憑依した霊とやり取りすることが何度もあった。
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深い対話にはならない。
しかし、彼女に憑依した霊が降りてくるその瞬間、鳥肌が立つのでわかるのだった。
この事態は避けたい。そのためには、どうしたらいいか。
一つは、その霊とやりとりをすること。
もう一つは、風呂に入れたり、水をかけて顔を洗わせたりすること。そうすると、はっと正気に返ることがある。
度々そういうことがあったので、慣れてはいたが、「どうしてそうなるのか」という探求は残った。
彼女の分裂した抑圧された自我が沸き起こってくるのか。
何かしら罪悪感(以前の彼氏との間で妊娠して堕胎した)があり、そのために分裂した自我が出てくるのか。
いわゆる憑依そのものなのか。
わからなかった。
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話は変わるが、立正佼成会という新興宗教がある。創価学会に次ぐ巨大な宗教団体である。出版社も高校も病院もある。霊友会の支部から独立した。
その開祖は、庭野日敬さんというが、脇祖として長沼妙佼という方がいた。
その方が憑依体質で、霊がよく降りてきては、「ああしろこうしろ」と開祖に指示をする。
庭野日敬さんは、長沼妙佼さんに降りてきた霊とやりとりしながら、教団を運営してきた。
たとえば、それまで日蓮主義を学んでいたが、妙佼さんに降りてきた霊は『法華経』を学べと言ってくる。
そんな具合で、「信仰のありようは親鸞に学べ」(他力本願的な信心や絶対帰依の姿勢)「威儀作法は道元に学べ」(座禅や日常の作法、規律正しい行持)「信念は日蓮に学べ」(法華経への不屈の信仰と題目唱道の心)というような教団である。
親鸞(浄土真宗の祖)から「信仰のありよう」(他力本願的な信心や絶対帰依の姿勢)を学ぶ。
憑依という個人現象が、妙佼さんのような霊媒を通じて教団形成の原動力になる。
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「霊が語る」という現象が個人の内部にとどまらず、社会的信仰体系を生む回路にもなる。霊的体験が個人の幻覚や病理を超え、信仰共同体の構築へとつながるわけだ。
とくに新興宗教は女性のシャーマンがわりと多く出る。
天理教、大本教、霊友会、璽光尊、天照皇大神宮教、智辯宗、ほんみち(大道社)、立正佼成会、真如苑など。ほとんどが女性のシャーマンである。
そして、男が教義を整理し組織化をはかる。
私は出版のご縁があり、立正佼成会の月刊誌の取材を何年もしており、本作りも10冊ほど手がけた経緯がある。みなさんとても柔和でこだわりがなく、優しい。
教義を持ち出してきて、あれこれ言うことはまったくない。霊的な側面はほとんどみられない。親鸞・道元・日蓮の「いいとこ取り」の結果かもね。