過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

【②天野さん】2025.11.9

【②天野さん】2025.11.9

長尾先生とは次第に縁が薄れていき、代わりに天野さんが我が家で相談会をすることになった。長尾先生は拠点を国立から三鷹に移された。鍼灸書をメインとするグループの信者が増えていったようである。

こちらでは、天野さんの「植物のエネルギーを感じる会」というものを毎月催していた。
そこに生えている草木が今どんなエネルギーなのか、それを感知していくようなワークを行っていた。このあたりは実に微細なことなので、言葉で説明は難しい。

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天野さんが推奨していたのはヨモギだった。

採取したヨモギを薬草茶にしたり、乾燥させて葉をよく揉んでモグサにした。

ニンジンなどを輪切りにし、その上にモグサを置いて火をつけてお灸とした。これは「隔物灸」と呼ばれるもので、熱くなりすぎた場合はずらすことができる。仙骨あたりにあるツボにお灸をすると元気になるということだった。

自分でヨモギを探し、採取し、乾燥させ、手で揉む、「そうした全過程こそが癒しになる」と言っていた。
また、さまざまな人の悩みや人生相談にも応じていた。

一対一で向かい合い、真ん中にロウソクを灯す。ロウソクの炎を見ると相手の状態がよく分かるのだという。そして、お鈴を響かせる。その音の響き方によって、相手の状態が次第に見えてくるようだった。
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天野さんをファシリテーターとして、ハワイで「地球のエネルギーに触れる」というワークショップを主催したこともあった。私はそれまで一度もハワイに行ったことがなかったのに、なぜか主催した。

そんな心もとない旅ながら、現地の聖地などを案内する人が現れたり、英語の達者な人も現れたり、うまく人材が集まって、無事にワークショップが開催された。

私はいきなりのアメリカ車の運転で、左ハンドルが怖かった。しかし、ハワイの人はみんな優しかった。

必ず道を譲ってくれる、スクールバスは止まっていても絶対に追い抜かないのだ。それで、ハワイの古来からの聖地を訪ねて瞑想したり、キラウエア火山のエネルギーを感じるというツアーとなった。

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その後も、各地で霊地や聖地巡りを度々行っていた。

オーストラリアのウルル(エアーズロック)でも開催されたことがある。このあたりから、私は天野さんを心底尊敬する信者のような関係に違和感を覚えだしていたので、参加しなかった。

リーダーと信徒が互いに非現実的な期待を投影し合う「共依存」の関係のような違和感である。霊的な探求の現場が、宗教的な共同幻想と依存構造に変わっていくといえようか。わたしはそのありは、いつも避けてきたのだった。

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それは天野さんの霊的な力によって行われる聖地巡りだったが、ウルル(エアーズロック)で聖なるエネルギーと繋がるというのが趣旨のようだった。

その時、参加者の女性に次元の異なる霊的なものが、突然、降りてしまった。
その霊的な存在はかなり強い支配力を持ち、ツアー全体を仕切ってしまうのだった。脱魂、あるいは憑依とも言える。

霊的な、あるいは神様的な世界に不用意に関わると、突発的な出来事が起こり、コントロールが効かなくなってしまうこともある。そこが怖いところだ。

やはりその土地の「神聖な力に触れる」という行為は、突然、同時に「制御不能なものを呼び込む危険性」を孕んでいる。

その霊が下りてきた女性は、その後もさまざまな苦労を経験したらしい。

ある集いで彼女は長尾先生に出会うことがあった。会った瞬間、「あんたも、いろいろ大変やったなあ」と言われ、「この人は私のことを分かってくれる」と感じて泣き出してしまったと、本人から聞いたことがある。
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かなり最悪なツアーになったようだ。

一人の卓越した霊能者が現れると、そこに依存する信者のような関係になりやすい。
しかしそのメンバーの中に憑依体質の人がいたりすると、そこに低級霊というか、より強力な心霊が憑依して、和を破壊したり、支配しようとするという事例とも思えてくる。

共依存もあるし、信者のほうからすると、リーダーに理想の投影が起こりやすい。リーダーは、信者の理想に沿うような形になってくる。
それがうまくいく場合もあるが、等身大でない場合には、より強力なエネルギーに支配されることもある。

スピリチュアルな探求の光と影というところだ。