過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

【あかりの教室】2025.10.25

【あかりの教室】2025.10.25

娘のあかり(いま10歳)は、小1の4月の時点で「一斉授業は時間の無駄」と見切りをつけたともいえる。授業に出たのは、3ヶ月余だった。

1年生のときは、毎週、担任の先生が家に来てくれて、ポイントを指導してくれた。
そして今年は、女性の校長先生が直接指導してくれることになった。
週に一度、校長室で校長先生とマンツーマンで授業を受けるのだ。
1時間だけの授業は、わかりやすくて楽しいらしい。

授業に出なくてもいいという環境は、同学年の生徒が5名という過疎の山里ならではだ。
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あかりは「限界集落」というミュージカルの団体に入り、稽古している。
大人や年上、年下の子どもたちと一緒に稽古するのは楽しいらしく、貴重な経験だ。

今年だけで既に2回舞台に立ち、年末にもう1回、俳優として出演する予定だ。
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昨日は83にして北海道に旅立つ田中さんの送別会だった。
料理上手な女性たちが3、4人いて、次から次へと美味しい料理が並んだ。
リゾット、チヂミ、マコモの天ぷら、豚汁、五平餅、おやき風のあんこ入り料理…食べきれないほどだった。

大くんがバイオリンを演奏してくれた。
私は体調が悪く、ほとんど座布団を布団代わりにして毛布をかぶって寝ていた。
「食事できる?」と声をかけられ、料理を運んできてもらった。
食べる時だけ起きて、また横になるという繰り返しだった。

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帰りの車の中で、あかりと話をした。
「今日の料理、おいしかったね」
「うん、すごくおいしかった」

「あかりが料理に興味を持ってくれるといいな」
「どうして?」
「自分で作って美味しいと嬉しいし、食べた人も喜ぶ。料理を通して友達もたくさんできる。どんどん上達するし」
「たしかにそうだね」

「料理は味が大事だけど、見た目も大切だ。毎回、作品を作るようなものなんだ。季節や材料によっても変わるから、おもしろいよね」
「たしかに」

「自分にしかできないことがあればいいよね。それが好きなことなら、深く極められる」
「私は漫画を描きたい」
「それはいいね! どんどん描くといい。時間はたっぷりあるんだから」

「あと、英語力があるといい。それと文章力も」

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おとうちゃんはといえば、料理が苦手だし、片付けや整理整頓もダメだ。
英語は試験勉強ではできたけど、コミュニケーションとしてはダメ。
ただ、文章を書くのは好きで、毎日書いて投稿している。
ワザといえば、ワザ。どんなに疲れていても眠たくても書くことにしている。もう体に染みついているからね。

この30年、執筆と編集で何とか生計を立ててきた。
まったくのド素人からのスタートだった。

まことに不思議というか、いろいろな方とのご縁で仕事を頂いた。ありがたいこと。そして、いつも先は見えない。