【サイエントロジー「思考の原理」】2025.10.19
「真の野蛮性というのは、愚かさのこと。
無知の黒いガラクタの中でのみ、イデオロギーの分別のない闘争が繰り広げられる。
無知な人々は、無知な支配者を選ぶ。そして無知な支配者こそが戦争へと導く。
そして、今度、引き起こされる戦争は、その後の地球に永遠なる沈黙をもたらす。
あなたたちの仲間、かれらの家、子供、所有物、そして将来のすべてが放射能に汚染された街路で、終りを迎える。
そこに横たわるとき、私たちは、もっと一所懸命に働けばよかったとか、もうすこし慎重であればよかったと悔やむような時間は残されていない。
(中略)
人がトーンスケール(TONESCALE)を下ってゆくにつれて、だんだんコミュニケーションは困難になり、そして同意する事もより重いものになってしまいます。従って友好的に会話を交わすというのは、トーンスケール(TONESCALE)の高いところに位置し、そして戦争というのはその最低にくるものです。
アフィニティのレベルが憎悪であり、同意する事が固い物質であるところでは、コミュニケーションというのは、銃弾なのです。」
『思考の原理』ロン・ハバード著より
気分転換にロン・ハバードの『思考の原理』を読む。
かれの思惟は、サイエントロジーという宗教をつくりあげた。
しばしば問題になったりする団体だが、思考と生き方の原理が凝縮されているので、たまに本をめくると、学びがある。
ロン・ハバードは「愚かさ=真の野蛮性」という切り口から、文明の本質を鋭く衝く。文明的な装いの中でも、無知が支配すれば野蛮さは消えない。むしろ、テクノロジーや制度が整っているほど、その野蛮さは巨大な力を持って破滅へと進む。
引用した箇所は、一種の心理的階梯「トーンスケール」を通して、人間関係から戦争にいたるまでのコミュニケーションの崩壊過程を描いている。
この本を読むことで、サイエントロジーを学ぶことで、はたして「無知の黒いガラクタ」から解放されるのかどうか、わからないけれども。