過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

【熱海の瞑想道場】2025.6.28

【熱海の瞑想道場】2025.6.28

スマナサーラ長老との二時間半に及ぶ対談を終え、熱海の瞑想道場に向かった。

19時半、すでに暗い。しかも雨が降っている。都心では傘をさした人がぞろぞろ歩き、自転車が急に横切る。車の旅は危険極まりない。

なんとか首都高速に乗って一安心、と思いきや、みんな飛ばすこと飛ばすこと。こちらも危ない。一般国道に入ると、道が狭いうえに分岐がわかりにくい。短い区間の料金所があちこちにあり、煩わしい。

そうこうして、ようやく熱海に辿り着いた。すでに23時を過ぎていた。

法道さんが三人分の布団を敷いて準備してくれていた。
瞑想道場の建物は昨年新築されたばかりで、本堂も改装されていた。
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清潔で静謐、穏やかな空間。なんとも居心地がいい。挨拶を済ませ、そのまま眠りに落ちる。

森の中にあるため、朝は鳥たちの鳴き声で目が覚める。
用意してくれた料理が実に美味しい。

法道さんとは、40年来の友人だ。
この道場の管理をするようになった経緯をいろいろと聞いた。
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法道さんは、もともと大乗仏教、特に『法華経』を学んできた人だ。
私と違って実践に打ち込む方で、『法華経』28品の訓読を欠かさず続けてきた。一日に28品を訓読するなど、私には到底できない。訓読は耐え難いし、正直、楽しくない。早口で読誦しても10時間くらいかかるのではないか。

そんな法道さんが、なぜテーラワーダ仏教の道に入ったのか。
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あるとき、全身が麻痺し、痛みが止まらない状態に襲われた。医者の診断では、菌が脊髄に入ったという。

そのとき、スマナサーラ長老の指導するヴィパッサナー瞑想を実践した。「まずは坐ろう、坐ってみよう」と、呼吸に気づきながら、体の痛みを感じていった。

すると、不思議なことに痛みが消えていった。
この体験で、ヴィパッサナーのすごさを実感したのだ。

以来、体の不調や痛みがあるたびに、「まずは坐ろう、気づきの実践に入ろう」と実践してきた。
壁を見ていると、微細な粒子のさらに微細な部分まで輝いて見えたり、体外離脱を体験したりすることもあるという。
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私と違って、法道さんは観念ではなく、体感や実感として真理を掴んできた人だ。

私は観念的、概念的に理解し、整理しようとする道を歩んできた。だから、最も大切な体感や実感から遠いところにいる。
病を得て、ようやくその道に入ろうとしているところだ。

そんな話をしながら、共通の友人に電話をかけたりした。
「ほんとにいろいろあったね。同窓会をやりたいけど、みんな死んじゃったね」
40年来の思い出話に花を咲かせた。

こうした仏弟子たちの体験、ヴィパッサナー瞑想に入ったきっかけや体験談を集めた本を作りたいなと思ったりした。いわば『テーラガータ』や『テーリーガータ』のようなものだ。