過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

【面白く、読みやすく、役に立つ】2025.6.6

【面白く、読みやすく、役に立つ】2025.6.6

「今日はおとうちゃんと寝る」とあかり(9歳)は言う。
「おとうちゃんは寝るのが早いぞ。もう18時半だ。寝るよ。おとうちゃんは本を読みながら眠りにつくことにしてる。小さなランプだけはつけておくよ。」

「うわあ、いまおとうちゃんの読んでる本、めっちゃ厚いね!」
「うん、800ページはあるかな。これは司馬遼太郎って人の本でね、面白いよ。『俄』っていうんだけど、侠客といって、まあヤクザの親分みたいな人を描いてるんだ。」

「難しそうだね。」
「そんなことないよ。最初のページを読んでみようか。憎たらしい無口の丁稚が、むすっと仕事してるところだよ。」

「へえ、面白そうだね!」
「なんでもそうだけど、冒頭が面白いかどうかって大切だよね。いきなり始まる、みたいな。いきなりクライマックスみたいな感じがいいんだ。」
 ▽
あかりも「本を読みたい」と言うのだが、難しい仏教の本とか、松本清張司馬遼太郎みたいなのしかない。

「あ、そうだ。これがいいよ。小林正観って人の本だ。読みやすくて、わかりやすくて、役に立つよ。」

ということで、あかりは小林正観さんの本を読み始めた。『宇宙を貫く幸せの法則』(致知出版)

その中に「ありがとう、ありがとうと言うだけで、運が良くなる」というところを繰り返し読んでいた。「心がこもってなくても、言葉だけでありがとうと言うのは効果がある」という内容だ。

「おとうちゃん、これほんと?」

「たぶんね。ありがとうって口に出して言うのと、トイレ掃除で運が良くなるってこと。あかりもやってみたらいいよ。心の中で思うだけじゃなくて、口に出してありがとうって言うのがいいみたい。やってみれば、すぐにわかるよ。」
  ▽
小林正観さんの講演会には、二回行ったことがある。講演の8割方は笑いに包まれていた。冗談がとても上手な人だった。

ただ、講演中に私のようにゴホンゴホンと空咳をしていたので、肺を悪くされていたのかもしれない。

ともあれ「面白くて、読みやすくて、役に立つ本」として、小林正観さんはすごいなあと感心する。

稚女求同寝
父読厚書巻
侠客物語奇
冒頭即魅了

転授正観書
感謝再三誦
疑真問父前
応曰口出妙

昔聞其演説
八分皆笑談
今覧其著作
三徳具備全

(書き下し)
稚女(ちじょ)同寝(どうしん)を求め
父(ちち)厚書(こうしょ)を読む
侠客(きょうかく)物語(ものがたり)奇(き)なり
冒頭(ぼうとう)即(すなわ)ち魅了(みりょう)す

転(てん)じて正観書(せいかんしょ)を授(さず)け
感謝(かんしゃ)再三(さいさん)に誦(しょう)す
真(しん)を疑(うたが)い父前(ちちまえ)に問(と)う
応(こた)えて曰(いわ)く口出(こうしゅつ)妙(みょう)と

昔(むかし)其(そ)の演説(えんぜつ)を聞(き)けば
八分(はちぶ)皆(みな)笑談(しょうだん)なり
今(いま)其(そ)の著作(ちょさく)を覧(み)れば
三徳(さんとく)具備(ぐび)全(まった)し

※注
三徳具備:面白い・読みやすい・役立つ