過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

【生きている人間観察が面白い】2025.6.6

【生きている人間観察が面白い】2025.6.6

古代エジプト展」に行った。あかりと女友達、合計三人だ。
昼食のおむすびは、竹林の見える素敵なロビーの椅子で食べた。快適だ。食べ終わってふとあかりが立て看板を見つけた。そこには「飲食禁止」と書いてある。

「うわっ、やっぱり禁止だったんだ。でももう食べちゃったからなぁ。汚してないか、せめてきれいにしておこう。」
「こういうところって、なんで飲食禁止なんだろ?」とあかりが聞く。
  ▽
「それはね、そうしないと歯止めがかからなくなるからだわ。放っておくと、みんなが食べ出す。そのうちここでバーベキューをしたり、焼肉パーティーをしたり、ニワトリの首を絞めてタンドリーチキンを作ったり、イノシシの丸焼きを始めたりする人が出てくるぞ。」
お父ちゃんの話は、こうやって極端に飛躍するものだ。まあ、いつものお約束の語りだな。

「昔、インドを旅したとき、ガチョウを連れた人が列車に入ってきたり、七輪で何か焼いて料理している人がいたんだ。」
カルカッタからプーリーまでの列車の中の話だ。ときどき列車が急停止する。「線路に牛が現れたからだ」とのことだ。
それは寝台列車で、朝になると、ムスリムの人たちが輪になって『コーラン』を読んでいた。スケッチさせてもらったこともあった。そんな話もした。
  ▽
インドの話は置いといて、帰りはいつもお世話になっている整体の掌先生を訪ねた。ちらっと立ち話だ。

「池谷さん、気力が充実してきてますよ。」「大丈夫そうですか?」「大丈夫でしょう。ただ、これからの季節、湿気とカビに注意してください。換気ですよ」という会話だ。

バーミヤン」で夕食をとった。研修生の女性が、「はい、はい」と緊張しながら純朴な感じで対応してくれたのが印象的だ。古代の遺跡も素晴らしいが、どこに行っても、生きている人間のありようが興味深い。

「観展偶感」

携女観古展
竹林映午餐
忽見禁食令
相顧笑開顔

父諭規矩理
漸演炙烤談
憶昔印度旅
禽畜共車喧

帰途訪整体
師嘱除湿言
晩餐巴店裏
新人応対謙

遺跡雖云古
人間更可観

(書き下し文)
女(むすろ)を携(たずさ)えて古展を観る
竹林 午餐(ごさん)に映(は)ゆ
忽(たちま)ち見る 禁食の令
相顧(あいかえり)みて笑顔開く

父 規矩(きく)の理(ことわり)を諭(さと)す
漸(ようや)く演(のべ)る 炙烤(しゃこう)の談
昔 印度(いんど)の旅を憶(おも)う
禽畜(きんちく)車に共(とも)に喧(かまびす)し

帰途 整体(せいたい)を訪(おとず)れ
師 湿気(しっけ)を除(のぞ)くを嘱(しょく)す
晩餐(ばんさん) 巴店(はてん)の裏(うち)
新人 応対(おうたい)に謙(へりくだ)る

遺跡(いせき) 古(いにしえ)と云(い)うも
人間(にんげん) 更(さら)に観(み)る可(べ)き

(注)
「巴店」はバーミヤン
「炙烤」はバーベキューや焼肉
「禽畜」は家禽と家畜
最後の二句で、遺跡より人間観察が面白いという主題を昇華