過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

【表意文字と表音文字】2025.6.2

表意文字表音文字】2025.6.2
漢字とひらがな、カタカナ、アルファベットが混在し、調和して読めるのが日本語の魅力だ。
漢字を基に送り仮名や返り点を用いて読み下し、さらに漢字からひらがなやカタカナを生み出した「日本の咀嚼力」を見直した。日本って、こういう咀嚼力、消化力に凄さかあるのかもしれないと感じた。
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古代エジプト展」に行ってきた。ヒエログリフの精緻な刻み方やレリーフの美しさに感動した。エジプト文明は紀元前3,000年頃に始まり(つまりいまから5,000年前)、統一王朝が約3,000年も続いたのは驚くべきことだ(多少の混乱はあったにせよ)。
ヒエログリフを観察しながら、「日本語ってすごいな」と思った。
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日本語は表意文字(漢字)と表音文字(ひらがな、カタカナ、アルファベット)が日常的に共存し、進化し続けている点が特徴だ。
もし日本語が漢字だけの表意文字だったら、含蓄はあるかもしれないが、表現の自由さや滑らかさに欠けるだろう。一方、表音文字だけだと、読みにくさが際立つ。
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世界で表意文字表音文字を同時に日常的に使う言語は調べてみたが、ほぼ日本だけだった。
かつて韓国ではハングルと漢字が併用されていたが、現在はほぼハングルのみだ。ベトナムもかつては漢字を使っていたが、今は表音文字(ローマ字ベースのクオック・グー)だけだ。
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歴史的に見ると、古代エジプトヒエログリフ表意文字表音文字の両方を含んでいた。
インダス文明でも表意文字が使われていたとされるが、未解読だ。マヤ文明表意文字表音文字を組み合わせた文字を使用していた。それぞれの文明の文字体系は実に興味深い。
和文異質論》
漢字爲骨 假名爲肉
交混無碍 自成妙趣
埃及聖書 瑪雅神刻
雖有古趣 不逮和文
《消化賦》
嚼破漢字 生平假名
化片假名 吞羅馬字
和邦消化 宇内無雙
《文字海説》
表意表音 渾然一海
求諸四方 獨步天下
「読み下し」
和文異質論》
漢字を骨と為し、仮名(かな)を肉と為す
交混して無碍(むげ)、自ら妙趣(みょうしゅ)を成す
埃及(エジプト)の聖書、瑪雅(マヤ)の神刻
古趣有りと雖も、和文に逮(およ)ばず
《消化賦》
漢字を嚼(か)み破り、平仮名(ひらがな)を生じ
片仮名に化し、羅馬(ローマ)字を吞む
和邦の消化、宇内(うない)に雙(なら)ぶ無し
《文字海説》
表意表音、渾然(こんぜん)として一海
四方に諸(もとど)れども、獨歩天下(どっぽ てんか)
※解説
「渾然一海」は表意文字表音文字が融合した日本語を大海に喩え、
「獨步天下」で他に比類なきことを示す。
「嚼破」「化」「吞」の動詞系列で、文字体系の代謝プロセスを表現。