【AI編集詠】2025.5.31
真言宗の大本山で発行する新聞の編集に携わっている。しかし、締め切り間際に原稿の差し替えが発生したり、写真はあるのに説明文が不足していたり、信仰による体験談が寄せられなかったりと、レイアウトを組む上で課題が多い。
これまでは、原稿を一つひとつ読み込み、自分で削ったり加筆したりしていたが、やりとりに時間がかかり非効率だった。
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今回は、生成AIを活用してみた。かなり効率がいい。
例えば、「文章を10%平易にしてください」「長い文章に小見出しを入れてください」と指示すると、わずか3秒ほどで処理してくれる。
「5行の文章を600字に増量してほしい」と依頼すると、見事に内容を膨らませてくれる。
しかも、その内容は仏教の文脈に即しており、無駄がない。編集作業が大幅に効率化した。
そして、AIによる文章の校正は、ほぼ完璧だ。
生成AIを使えば、文章を簡潔にまとめたり、逆に詳しく展開したりすることも自由自在だ。ただし、最終的には私が内容を確認し、細かな調整を行う必要がある。
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あとは、レイアウトをどう組むか、写真のキャプションをどう入れるかといった、印刷直前の仕上げ仕事はある。これもやがてAIが数秒でやれるようになるとは思う。いまところは人的パワーの必要なところである。
「AI編集詠」
稿差迫締修(こうのさし せまる しめ おさむ)
無文写愁留(ぶんなし しゃ うれい とどむ)
AI神筆動(えーあい しんぴつ うごく)
削増自在流(さくぞう じざい ながる)
仏語脈文合(ぶつご みゃく ぶん かなう)
校精誤謬休(こうせい ごびゅう やむ)
唯残版面頼(ただ のこる はんめんのたのみ)
自動明朝求(じどう みんちょう もとむ)
「現代語訳」
締切に迫る原稿の修正
説明文のない写真に愁い残す
AIの神業のような筆が動き
削除も加筆も自由自在
仏教用語が文脈に調和し
校正は精密で誤りなし
残るはレイアウトの手作業
自動化の明日を待ち望む
「解説」
差し替え原稿と写真説明不足という編集課題を4字×2行で凝縮
AIの処理能力を「神筆」と表現し、自在な編集を「流」の韻で収める
仏教文脈への適応と校正精度を7字で完結
最終聯で人的作業と自動化への期待を対比
「神筆動」でAIの高速処理を東晋の書家・王羲之の故事と重ね、「自在流」で仏教の「自由無礙」の概念を暗示。印刷用語「明朝」に未来への「明」の字義を掛けるなど、漢詩の修辞法を最大限活用。