【「不妄語」をベースに生きてこう】2025.5.24
「不妄語」をベースに生きてこうとすると、言葉に力が生まれる。それは自分で実感できることだ。
嘘をついてしまった。
そういうときでも、「不妄語」をベースにしていると、「あ、いま嘘をついてしまった」と、わりとあっけらかんと言える。
「不妄語」はかなり強力なコミュニケーションの基軸となる。あっけらかんと曇りなく人とやり取りができるからだ。なまにか隠し事や嘘があると、人とのコミュニケーションは濁る。それは、何より自分が感じるし、相手も感じる。
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仏教の八正道で言えば「正語」じ実践にあたる。
「インテグリティ」が高まるとも言える。
インテグリティとは、「高潔さ」「誠実さ」「正直さ」という意味だ。
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仏教の「五戒」の実践を試みている。神とか仏との約束という意味ではない。自分の生き方の私信として据えようということだ。
「五戒」のなかでも、実践しやすいのは「不妄語」から。嘘をつかないことだ。
これは、日常生活の中で即座に始められる。
「これくらいのごまかしならいいか」というケースはときにある。ごまかしや調整が必要な場面も出てくる。たくさんある。
しかし、「不妄語」をきちんと守ろうとしていると、「あ、いまの自分はズレているな」と気づく羅針盤になる。
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「不妄語」を実践していると、生き方はラクになることはわかる。
自分土地言うものは、瞬間ごとに自分を自己採点しているからだ。
自分で嘘をついていれば、ほかならぬ自分自身が自分に低い評価を下す。晴れやかな気持ちが失われる。
それは自分でわかる。そして、それが相手にも伝わる。一番知られたくない心の内が、相手にしっかりと伝わってしまう。「ん? 何かヘンだな」と気づかれてしまうのだ。
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エラい政治家たちに会うと、何かヘンな波動を感じることがある。これは、嘘をつかざるを得ない仕事の性質に依るのかもしれない。宗教団体の指導者たちに会っても、同様の感覚を抱くことがある。
つまり、インテグリティが欠けているということだろうか。
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Integrity:ラテン語の「integritas」に由来し、「完全さ」や「無傷であること」を意味する。
「integer」は「全体の」や「傷がない」という意味で、数学の「整数」と同じ語源。
物事が部分に分かれていない状態や、欠けていないことを示す。
自分自身や他者への誠実さ、倫理的に一貫した行動を指す。道徳的な質や全体的な一貫性を象徴する概念。
不妄語吟
慎言守諾語如金
偽妄除時道自深
正語清風通四海
誠心明月照千岑
(書き下し文)
言(げん)を慎み諾(だく)を守れば 語(ご)金の如し
偽妄を除く時 道(どう)自ずから深し
正語の清風 四海に通じ
誠心の明月 千岑(せんしん)を照らす
※押韻
金(きん)・深(しん)・岑(しん)の3字
漢詩の基本通り偶数句で韻を踏み、清雅な響きを構成
※語句解説
千岑(せんしん):無数の山々。「相手の多様性」の象徴
諾を守る:約束を果たす。「言行一致」の具体化
偽妄除時:「あっけらかんと認める」態度を禅的覚醒として再構築
「嘘に気づく羅針盤」という原文のキーメッセージを、「清風明月」の伝統的意象で可視化。平仄と韻の厳格さで「インテグリティの一貫性」と重なる構成。