【縁起無量】2025.5.4
いまスマナサーラ長老の自伝の編集をしているんだけど、日本で説法する一つのきっかけに、小泉さんという方がいる。その方の行動力がすごいので、エピソードとして加えた。
私もそのご縁で、椿山荘での三笠宮との会食に招待されたことがあめ。「池谷さん、なにしろ殿下ですから、ちゃんとしたものを着てきてくださいよ。髪もちゃんと分けて清潔に」とその妹の竹田さんから言われたよ。さぞや心配だったろうなあ(笑
◎東京コミュニティカレッジでの講座
駒澤大学大学院を卒業した後、2、3年は日本とスリランカを行き来していました。1980年代末のことです。この頃、朝日新聞の記事や口コミを通じて、私のことを知る人が少しずつ現れ始めました。
そんな中、小泉多希子さんという方に出会いました。小泉さんは「(財)東京コミュニティカレッジ」というカルチャーセンターのような団体を主催していました。このカレッジの顧問は、三笠宮崇仁親王(みかさのみや たかひと:昭和天皇の末弟)が務めていました。
三笠宮が顧問になった経緯は、こんなエピソードでした。三笠宮はオリエント学の専門家で、東京女子大学で教鞭をとっていました。通勤には電車を利用していました。
ある日、小泉さんは三笠宮が同じ電車に乗っているのに気づき、急いで駆け寄っていきました。そして「殿下、うちの顧問になってください」と突然お願いしたのです。
三笠宮は驚きつつ、「え? ああ……、いいですよ」と気軽に引き受け、顧問に就任したそうです。小泉さんは、そんな行動力のある方でした。
小泉さんはクリスチャンでしたが、どんな分野にも積極的に学びを取り入れる人でした。東京コミュニティカレッジでは、さまざまな文化人を招いて講演会を開催していました。
たとえば、世界的ベストセラー『タオ自然学』の著者で物理学者のフリッチョフ・カプラや、後に『置かれた場所で咲きなさい』で知られるクリスチャンの渡辺和子さん、陽明学の思想家なども招かれていました。
〈縁起無量〉
電車飛顧問:電車に飛び 顧問を請(こ)い
仏説椿山宴:仏説 椿山(ちんざん)の宴
殿下整衣冠:殿下 衣冠(いかん)を整え
行動力縁転:行動力 縁(えん)転ず