【死に臨んでブッダが示したもの】2025.4.13
死にゆかんとする私自身が、ブッダの教えを日々探求している。これまで多くの哲学や宗教を学んできたが、最もシンプルで深遠かつ実践的な教えがブッダの教えだと、しみじみ感じるようになってきた。学ぶたびに心が静寂に満たされることを実感する。
また、AIのおかげで、ブッダの言葉を裏付けるパーリ仏典を容易に検索できるようになり、学びが飛躍的に進むのがありがたい。
この「ブッダとの問答」は、心の躍動する仕事である。
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今回のテーマは、「ブッダは死に臨んで何を伝えたのか」「ブッダは自らの葬儀や遺体の処理をどのように指示したのか」である。
ブッダの死の瞬間や葬儀に関する指導は、パーリ仏典の『大般涅槃経』(Mahāparinibbāna Sutta, ディーガ・ニカーヤ16)に詳しく記されている。
いつも付き従っていたアーナンダがブッダの入滅を嘆き悲しむと、ブッダは次のように説いた:
「自己を島とし、自己を依りどころとし、法を島とし、法を依りどころとせよ」「法と戒を依りどころとしなさい」(DN 16.2.26, 16.6.1)。さらに、死後も法が弟子たちの導き手となることを強調した(DN 16.2.26)。
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ブッダは、自身の葬儀や遺体の扱いについても具体的な指示を与えた。アーナンダが遺体の扱いを尋ねると、仏陀は次のように指導した
「アーナンダよ、如来の遺体の供養に煩わされることなかれ。さあ、アーナンダ、正しくよく生きなさい。怠らず、熱心に、精進して生きなさい。クシャトリヤの賢者、バラモンの賢者、居士の賢者で、如来に深く帰依している者たちがいる。彼らが如来の遺体の供養を行うだろう。」
パーリ原文:
Mā, ānanda, tumhe tathāgatassa sarīrapūjāya ārādhatha, iṅgha tumhe, ānanda, sādhu sammā viharatha, appamattā ātāpino pahitattā viharatha. Sunt’ānanda, khattiyapaṇḍitāpi brāhmaṇapaṇḍitāpi gahapatipaṇḍitāpi tathāgate abhippasannā, te tathāgatassa sarīrapūjaṃ karissanti.(DN 16.5.12)
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また、自身の遺体を「転輪聖王の葬送に倣って」扱うよう指示した。具体的には、遺体を白布で巻き、油槽に入れ、香木を積んで火葬する。
「アーナンダよ、転輪聖王の遺体が正しく扱われるように、如来の遺体もまた正しく扱われるべきである。」
パーリ原文:
Yathā kho, ānanda, rājā cakkavattī sarīre sammā samānīyati, evaṃ tathāgatassa sarīre sammā samānetabbaṃ.(DN 16.5.10)
さらに詳細な手順として、次のように述べた。
「アーナンダよ、如来の遺体は、白い布で巻き、五百の布の対で巻き、油槽に入れ、別の金属の槽で覆い、すべての香木を積んだ火葬台を作って火葬するだろう。転輪聖王の遺体が正しく扱われるように、如来の遺体もまた正しく扱われるべきである。四つの大きな道の交差点に、如来のストゥーパを作るだろう。」
パーリ原文:
Tathāgatassa kho, ānanda, sarīraṃ vettha setavatthena saṃveṭhetvā, pañcamattehi dussayugehi saṃveṭhetvā, teladoṇiyā pakkhipitvā, aññissā lohadoṇiyā paṭikujjitvā, sabbagandhānaṃ cūḷikaṃ citakaṃ karitvā, tathāgatassa sarīraṃ jhāpessanti. Yathā kho, ānanda, rājā cakkavattī sarīre sammā samānīyati, evaṃ tathāgatassa sarīre sammā samānetabbaṃ. Cātumahāpathe tathāgatassa thūpaṃ karissanti.(DN 16.5.11)
※注:原文では、thūpa(ストゥーパ)の建立場所(四つの道の交差点:cātumahāpathe)が明記され、儀式の具体性が強調される。vettha setavatthena(白い布で巻く)やteladoṇiyā(油槽)などの表現は、葬送の厳粛さを示す。
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ブッダは、ストゥーパを参拝する人々が「礼拝し供養することで、心が清らかになり、平静になる」と述べた。また、ストゥーパ参拝によって「長きにわたり幸福と安楽を得、死後に天界など善いところに生まれる」可能性を示した。ただし、僧侶に対しては、ストゥーパ礼拝よりも修行を優先するよう暗に示している。
「アーナンダよ、巡礼して信心深い心で如来のストゥーパに供養を行う者は、身体が壊れた後(死後)、善いところ、天の世界に生まれ変わるだろう。」
パーリ原文:
Ye kho, ānanda, cetiyacārikaṃ āhiṇḍantā pasannacittā tathāgatassa thūpe pūjaṃ karissanti, te kāyassa bhedā paraṃ maraṇā sugatiṃ saggaṃ lokaṃ upapajjissanti.(DN 16.5.8)
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ブッダの遺言は、次の言葉に集約される:
「諸行は無常である。怠ることなく修行を完成せよ」
パーリ原文:
Vayadhammā saṅkhārā, appamādena sampādetha(DN 16.6.7)。
ブッダは死の瞬間において、身体の苦痛にもかかわらず、心を乱さず完全に覚醒した状態で般涅槃に入った(DN 16.4.45)
自らの臨終をもって、心の平静と正念(サティ:いまここに気づいている状態)を保つことを弟子たちに示した。
涅槃示教
臨終猶説法:臨終に猶(なお)法(のり)を説き
遺体任他処:遺体は他に任す
無常観自在:無常観自在)にして
精進是仏途:精進これ仏の途(みち)
白布千重巻:白布千重(はくふちえ)に巻かれ
香煙万世熏:香煙万世に熏(くゆ)る
塔前清浄念:塔前清浄の念
不堕死生輪:死生(ししょう)の輪に堕)ちず