【ブッダ最後の直弟子】2025.4.1
ブッダは、亡くなる前に説法している。
『大般涅槃経』(Mahāparinibbāna Sutta)には、ブッダが入滅する直前に、スバドラ(Subhadda, 或いはスバッダ)という名の行者が訪れ、弟子入りを求めたと記載されている。ブッダの最後の説法である。
ブッダがクシナガラで沙羅双樹の間に横たわっている時、スバドラという行者がブッダに会いに来た。しかし、弟子のアーナンダはブッダが疲れているとして彼を制止した。それでもスバドラは強く願い出た。ブッダはアーナンダにこう言う。
「アーナンダよ、スバドラを私のところへ通しなさい。彼は私に質問するために来たのだ。彼に私が答えることは、彼の利益となるだろう。」
(原文: “Mā, Ānanda, vārehi Subhaddaṃ; labhatu Subhaddo mayā saddhiṃ dassanaṃ; yaṃ kiñci maṃ pucchissati, sabbaṃ taṃ aññāpekkho va pucchissati.” の意訳)
スバドラがブッダの前に進み出ると、「他の宗教指導者たちの教えに疑問を抱いており、真実を知りたい」と尋ねる。ブッダは次のように説いた。
「スバドラよ、八正道(正見、正思惟、正語、正業、正命、正精進、正念、正定)のない教えには、真の沙門(修行者)も解脱も存在しない。私の教えにはこの八正道があり、それゆえにここには真の沙門と解脱があるのだ。」
(原文: “Yasmiṃ kho, Subhadda, dhammavinaye ariyo aṭṭhaṅgiko maggo na hoti, na tattha samaṇo hoti… Yasmiṃ dhammavinaye ariyo aṭṭhaṅgiko maggo hoti, samaṇo tattha hoti…” の意訳)
この説法を聞いてスバドラは深く感銘を受け、ブッダに弟子入りを願い出た。ブッダは彼を受け入れ、スバドラは出家して比丘となり、後に阿羅漢果(解脱)に達したとされる。彼はブッダの最後の直弟子となった。
死ぬ瞬間まで説法していたブッダの姿を彷彿とさせる。
そして、ブッダの教えの核心は、八正道であることが再確認される。
【五言絶句】
沙羅双樹下:沙羅双樹の下
最後一問答:最後の一問答
八正道分明:八正道分明なり
即得阿羅漢:即ち阿羅漢を得る
【七言律詩】
沙羅樹下臥如来:沙羅樹下(さらじゅか)に 臥せる如来
最後弟子問法来:最後の弟子 法を問うて来る
八正分明開覚路:八正分明に 覚の路を開き
一言透徹断疑胎:一言透徹に 疑いの胎(はら)を断つ
阿難初遮:阿難初めは 遮りしが
仏許説法開:仏許して 説法開く
即座出家成聖果:即座出家し 聖果を成し
仏教燈火永伝哉:仏教の燈火 永(とこし)えに伝わん