スマナサーラものがたり【親の看とり】② 通し番号119
※友人も親も看取ったことがあるが、フツーにたんたんとしていればいいという実感がある。
母親を看とるとき、僕はいろいろお経が読めるので、お経を読んだり、歌を歌ったり、ハーモニカを吹いたりしていた。もう親に対しては、感謝しかないわけだ。まったく親孝行などしてこなかったからね。
以下は、スマナサーラ長老の話。この時の話し相手は、作家の立松和平さん。お母さんが亡くなられるときに、長老と対談したのであった。
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お母さまのそばに座って、いろいろしゃべられたほうがいいと思います。分かっても分からなくてもいい、聞いていても聞いてなくても大丈夫です。
もうただ単に息子として話せばいいんですよ。
なんでもいいんです。昔のことやら楽しかったことやらね、なんとなく昔話とかね。
たとえば、自分が生まれて幼稚園から小学校に入った頃が、母親としては人生で一番楽しかったとか。
そういう明るいセクションだけでいいと思いますよ。苦労して私を立派に育ててくれました、とかね。しゃべると心が機能して、なんとなく楽しくなって、いい気持ちになるんです。
そしてお母さんは、もう逝かなくてはならないでしょうから、せめて楽しい思い出でいっぱいで、という気持ちですね。