スマナサーラものがたり【慈悲の瞑想】① 通し番号116
※ヴィパッサナーの瞑想のことは書いていたけれど、慈悲の瞑想のことは書いてなかった。ヴィパッサナーと慈悲の瞑想は両輪と思う。
今回の話は、慈悲の瞑想でものすごい効果が出るというあたりを強調している。対機説法ということもあるが、実際にちゃんとやれば効果があるのだと思う。今自分自身、試しているところである。以下は、スマナサーラ長老の話。
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【自分を改善したら、すべての問題はなくなる】
自己改革する道として、「慈悲の瞑想」があるのです。慈悲の瞑想は、煩わしいことの多い人間関係で生きていくために必要な瞑想なんです。
ただし、「生きとし生けるものに慈悲をかけるぞ」というような、えらそうな気分でやるのではありません。
自分を治すためにやるんです。
自分の心を改善するためにやるんです。
なぜなら、自分を改善したら、すべての問題はなくなるからです。
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そもそも人生の問題というのは、どこからきますか?
それは、自分の心にある怒り・憎しみ・嫉妬・わがまま・欲望によって、生まれてくるのです。
だから、人間関係・生命との関係を、慈しみの心で育てていけば、すべての問題は解決するのです。そのために慈悲の瞑想が効果的なのです。
「生きとし生けるものが幸せでありますように」
しっかりと念じることで、いっさいの問題が解決します
すべて見事に奇跡的に、よい方向に回転しはじめるのです。「人間関係に困っている」という言葉さえ出てこなくなりますよ。
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二週間くらい、朝も午後も集中して徹底的に念じてみてください。人生はどう変わるのか、自ら確認してみてください。あきらかに、自分が変わってくることが実感されますよ。
【その人との問題はなくなっている】
では、慈悲を念ずることで、相手も変わるのかどうかです。
同時に、相手も変わってくると思います。
たとい変わらなかったとしても、もうその人との問題はなくなっているはずです。
いままで、このひとは嫌味を言ってきたのに、あれ?もう嫌味を言わなくなったぞ。
そういうことが起きます。
それは、相手が変わったのではありません。自分が変わったんです。
自分と会った時、相手の人にもうイヤな気分が生まれないので、嫌味を言えなくなったからです。また、これは人間関係に限ったことではありません。すべての生命との関係にもいえることです。