スマナサーラ物語 宗教二世問題 通し番号126
※宗教二世問題というのは大きい。本人は親の権力と威圧で強制的に信仰させられる。
そこから離れられたとしても、その教義が刷り込まれてしまっている。教えから離れると地獄に落ちるとか、頭が七つに割れるとか、恐怖で縛られる場合も多い。そこを乗り越えるのは、なかなかに難しい。
以下は、スマナサーラ長老の話である。
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安倍首相の暗殺を契機に、宗教二世の問題が騒がれました。
親が信仰している、子どもは親の圧力で信仰せざるを得ない。服従しなくちゃいけない。
自分で信仰を選んで入るのはいいとしても、子どもにまで信仰を強制してしまうのは問題です。信仰が子どもの思考能力・判断能力を奪ってしまうからです。
信仰というものは、確実に頭を悪くさせます。
ブッダが言ったように「自分で考えよ。自分で判断せよ。自分の責任は自分でもて」。大切なポイントはそれだけです。
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社会としては、頭の悪い従順な人がいればいるほど治めやすい。これまでの歴史が物語ります。キリスト教とかいろいろな宗教をつかって人民を支配してコントロールしてきました。
政治家にとっては、考えない人がいたほうが楽ですね。革命家がいると一番困ります。しかし、いつでも古いシステムは壊されなくちゃいけない。いつでも世界には革命家が必要なんです。システムを変える人が必要です。
けれども、まずこのシステムがおかしいということを、人々が気がつくように伝えなくちゃいけない。
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オウムの死刑囚から手紙が来て、文通でやり取りをしたことがあります。すでに死刑は執行されてしまいましたが。
本当にもったいない宝物たちでした。何人かには道を示したことはあります。
かれらは、オウムのやり方で一生懸命に働いてそれでお布施をしようとするんですね。
こちらはそんなものは受け取れません。
かわいそうだけれども、脳が破壊されているんですね。それに対して、何もこちらはできなかったんですね。信仰によって思考パターンが壊されるともうどうしようもないんです。
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オウムの信徒は高学歴のインテリが多い。なぜインテリがそういった宗教に入るのかと、よく聞かれます。
それってインテリなんですかね。
サリンを製造したら、人を殺すことになる。生物兵器ですからね。悪いことに決まっています。それくらいのことを自分で判断できなかったならば、それはインテリと言えるんですかね。
東大であるとか、学歴だけを見てインテリというわけですか。
あるバカ者を信仰しているならば、そのバカ者のことをきちんと調べるのがインテリでしょう。
なぜそれが読めないんですか。かれらのやっていることは、ただの商売でしょう。
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人間は誰かに頼りたい。偉いと認められたい。そういう心があります。
それは人間が持っている一つのウィークポイントなんです。
そして、みんなである指導者を崇めてしまう。依存する。その指導者はますます増長する。すると限りなく暴走するんです。