太陽が登ってくる。その光を浴びて、呼吸する。
少し何かを動かすと、もう息が切れる。はあはあ、ぜいぜい。
できることは呼吸することしかない。
呼吸だけに徹すれば、いまここの瞬間しかないという現実。
しかしまあ、それで安穏になるとか楽になるのかというと、そうでもない。
それしかないから、している。
死んでいくとき、唯一の仕事は、呼吸することだけ、なんだろうな。
▽
死にゆくときは、ただただ呼吸しかない。
そこに意識が働くとしたら、吸う息・吐く息に向けることしかないか。
まさに、それこそ究極のヴィパッサナー(よく観る、しっかり自分を内側から観る、気づく)、アナパナサティ(吸う息・吐く息に気づく)だ。
「生存力」がなくなれば、それこで肉体はおしまい。
その先、どうなるのか、わからない。
きょう14時から「いちりん楽座」(GoogleMeet)でそのあたりのカタリバを行う。
いちりん楽座
テーマ「解脱に至るプロセス」
2024年11月13日(水)14時〜16時半(開場13時半)
参加費無料。どなたでも。予約不要。途中入退室、顔出しご自由。
GoogleMeet 下記をクリックするだけで参加できる。
https://meet.google.com/boi-xwkb-qxa
ブッダは、輪廻からの解脱を教えた。
そこにいたる道として、四諦・八正道を示した。
〝エーヒパッシカ〟(Ehipassika 「来たれ見よ」ここへきて実践してみよ、すぐわかる)である。
私は未だにわからないよ。それはちゃんと実践していないからだと思うけれど。
ともあれ、ブッダは悟りに至る道を示したようだ。
▽
それがどのように示されているのか。
たとえば、預流果、七来果、一来果、不還果にいたり、阿羅漢果(解脱)と言う無道筋があると言われる。
預流果に達すれば、もう後戻りしない。前に進むのみ。
その預流果を得るには、「私がいる」=私という思いが消える、すなわち無我がわかること。
これがもう最大の問題。私がいないんだから。
▽
ブッダの教えは、端的に三法印(苦・無常・無我)として示される。
苦(ドゥッカ)は、いつもいつも不満足でいる自分を知ること。現実を受け入れられなくて、これじゃあない。もっとこうしたいという思い。それが、ドゥッカ。それは、わりとわかりやすい。
無常とは、瞬間瞬間に移り変わるものごと、自分の感情、自分の心に気がつくこと。それも、わりとわかりやすい。
▽
ところが、無我が難しい。
どうしても、自分がいる。自分がある。
瞬間瞬間気づいとしても、気づいている自分がいる、ある。
そこの自分が消えて、気付きだけ、Consciousnessだけになるのかどうか。
池谷のインタビューをもとに、わかりやすく教えていただく。講座ではなくて、「カタリバ」である。いろいろ聞きたい人は、バンバンと聞いてもらいたい。また、池谷のペースで進めるので、あちこち彷徨することも多いのでご承知おきを。
▽
ゲスト:藤本晃(ふじもと あきら)
ブッダの実践心理学 - アビダンマ講義シリーズ』(1〜8巻 サンガ、2005年)スマナサーラ長老との共著がある。
山口県下松市誓教寺住職、パーリ仏教の研究者。文学博士。広島大学大学院文学研究科客員教授。
1962年、山口県下松市・浄土真宗本願寺派誓教寺の次男として生まれる。
一度も社会に出ることなく学習院大学、龍谷大学大学院に進み、カナダ・カルガリー大学大学院在学中の1992年に住職(父)が倒れ、急遽帰国して継職。
1995年より東京在住のスマナサーラ長老を法要の講師や瞑想会の指導に招き、初期仏教に触れる。
1998年、広島大学大学院でパーリ語仏典による初期仏教の研究を始め、2002年に修了。博士(文学)。
2011年、浄土真宗寺院であるにもかかわらず他宗派の講師を招き、真宗にそぐわぬ瞑想修行を15年来続けてきたことを組(そ)長に糾弾され、浄土真宗の単立寺院に。
2019年より広島大学客員教授。
ラジオのインタビュー
https://youtu.be/qmphN2xdwBY
誓教寺
https://seikyoji.jimdofree.com/
著作リスト
『功徳はなぜ廻向できるの? - 先祖供養・施餓鬼・お盆・彼岸の真意』(国書刊行会、2006年)
『廻向思想の研究 - 餓鬼救済物語を中心として』(国際仏教徒協会、2006年)
『死者たちの物語 - 『餓鬼事経』和訳と解説』(国書刊行会、2007年)
『お布施ってなに? - 経典に学ぶお布施の話』(国書刊行会、2007年)
『仏教の正しい先祖供養 - 功徳はなぜ廻向できるの?』(サンガ、2008年)
『悟りの階梯 - テーラワーダ仏教が明かす悟りの構造』(サンガ、2008年)
『ブッダの神通力 - 禅定と六神通と悟りへの道』(サンガ、2011年)
『お葬式の才覚 - 日本人なら知っておきたい』(新人物往来社、2011年)
『浄土真宗は仏教なのか?』(サンガ、2013年)
『『アビダンマッタサンガハ』を読む』(サンガ、2013年)
『日本仏教は仏教なのか? 第1巻(仏教の起源)』(サンガ、2015年)
『悟りの4つのステージ - 預流果、一来果、不還果、阿羅漢果』(サンガ、2015年)
『日本仏教は仏教なのか?第2巻(仏教はどうやって生き残ったのか?)』(サンガ、2016年)
『日本仏教は仏教なのか?第3巻(部派分裂の真実ー附・仏教はごまかせない―佐々木閑教授へのお答え)』(サンガ、2018年)
博士論文
『パーリ仏教における業報輪廻思想 - 自業自得の法則と布施の指定説の相克』(博士(文学)、甲種、広島大学、2002年)