座布団と対話してみましたか
スマナサーラものがたり(77)瞑想について㉑
子どもたちの体験出家の合宿がありました。
お経を読むこと、瞑想すること、歩くこと、片づけをすること、すべての所作が仏道修行になります。
片づけも大切なことです。
子どもだから、いい加減にぱぱぱっとやってしまいます。座布団など不揃いになっていました。
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これが普通の社会だったら「ちゃんとやりなさい。しっかり片づけけなさい」となりますね。すると「ああ、うるさいな」と思いながら整頓する。
叱られるし、仕方がない。みんながやっているからやらなくてはいけない。やればやったで、評価がほしい。評価されないと、怒りが出てくる。そういう世界で私たちは生きています。
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そこで、片づけるときのポイントを言ってあげました。
「座布団と対話しましたか。座布団がどの位置に置かれたいと思っているでしょうか」。
子どもたちは素直にそれをやりました。
するとたいへん見事に整頓してしまったんですね。私が褒めなくても子どもたち自身が喜んでいます。「どうですか、見てください」と。
私は、「よくできましたね」とは褒めたりしません。
子どもたちは自分たちが頑張って、自分が喜びの世界で満足しているんです。そこに評価は必要ありません。
※スマナサーラ長老のインタビューをもとに池谷が構成しています。