過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

スマナサーラものがたり(73)瞑想について⑰「人格向上」という目的

「人格向上」という目的

スマナサーラものがたり(73)瞑想について⑰

それでも、やはり目的や目標がほしいと思うことでしょう。
目的がないと、あてのない航海に出るようなもので、迷ってしまうのではないかと。

しかしはっきりいうと、生きるのに、目的や意味など存在しません。
わたしたちはただ生きて、ただ死んでいく存在に過ぎないのです。たしかに、これは事実です。

しかし、そうはいっても、ひとは何かしらの目標、生きる道しるべがほしくなってしまうものです。目的や目標がないと、人生にまとまりがありません。
人生を全体的にまとめるために、目標を持つことは意義があります。
  ▽
そんなとき、おすすめするのが「人格向上」という目標です。
自分という人格を向上しようと努めるのです。
それを目標にするのです。一生、それに向けて生きていられます。

俗世間の目的は、いい加減で中途半端で、次々と変わります。達成することは難しい。金持ちになってやろう、議員になろう、とか。

それは、なれるかもしれないし、なれないかもしれません。そういうものです。そして、なったからといって、それがどうしたのですか?ということです。億万長者になった。でも、「だからなんですか?」ということです。

「だからなんですか?」
これは、智慧が現れるとてもたいせつな「公案」なんです。

スマナサーラ長老のインタビューをもとに池谷が構成しています。