目的というものなど、自我という小さいスケールの世界のこと
スマナサーラものがたり(72)瞑想について⑯
「目的ゼロでやることで、心が成長していく」というと、目的がないと、この人生で困るという人がいます。
では「目的」をしらべてみましょう。
そもそも「目的」ってなんでしょう。
「目的」といいますが、だれもしっかり調べたことはないのです。
目的とは、意味をもたない単語なんですね。
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全宇宙のスケールでみてください。この宇宙になにか目的があるでしょうか。
ただ因果法則によって物事が変化しているだけのことです。
目的など、なにもありません。
わたしたちも、宇宙を構成している物質ですから、おなじように因果法則によって成りたっているだけなんです。なにか特別な目的があるわけじゃないんです。
目的というものは、「自我」という小さいスケールの世界のことなのです。
なにか目的あって歳をとるんですか?
目的があって病気になるんですか?
そこに目的など、なにもないのです。
それが真理の世界です。
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よく宗教の世界では、神がおられて「神が宇宙を創造した目的がある」などと言いますが、はたしてそうでしょうか。この世界は、なんの目的もなく条件が整ったから、そうなっただけのことなんです。そこに目的などひとつもありません。
だから、そこに不具合があったら、なんとかして直すことができる。もしもできなかったら、それは自然の流れだとほうっておけばいいんです。
※スマナサーラ長老のインタビューをもとに池谷が構成しています。