ホタル公園祭があってもまだホタルは出てこないように思うが、そろそろかなあ。
朝から、テキ屋の人たちが、店をセットしている。
たいやき屋のおじさんがいたので、話しかけた。
──いつの頃からやっているんですか?
「そうだねえ、もう50年になるね」
──きっかけは?
「中学を卒業して、不良をしながらアイスクリーム屋のバイトをしていたんだ。そのとき、親分さんに出会ってからこの仕事を始めた。」
──どのあたりまで行くんですか?
「もう歳だもんで、あんまり遠くには行かない。まあ、平塚とか岐阜あたりまでかなあ。」
──で、もうかりますか?
「粉ものというのは、やっぱり儲かるよ。いちばん儲かるのは、綿菓子。それから、たい焼きとたこ焼き、お好みやき。」
──こうした設備にはどれくらい費用がかかるんですか?
「この台が20万円、このテーブルが30万円、あとトラックが必要だね。」
──ところで、テキ屋を仕切る親分みたいな人がいるんでしょう。そのあたりは、どうなっているんてすか?
「うん、いまは組合になっていて、その組合に上納金みたいなものは収める。で、その組合を仕切っている親分さんがいてね。もう年だから、どうなるかなあ」
──いつもこうして祭りに出かけるわけじゃないと思うけど、普段は何をされているんですか?
「いつもは、上水下道の工事屋をやっているんだよ。もう65歳なんで、やめたいんだけど、社長が辞めさせてくれない」
テキ屋の人生も楽しそうだ。