過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

次々と分解して、あかりの宝物を増やしていこう

あかりが「遊ぼう」という。仕方がないなあ。
──絵を一緒に描くかい?「いや」。
──絵本を読む?「いや」。すらら(学習アプリ)で勉強する?「いやだ」
うーん、なにやるかなあ。
それにしても、あかりは気配が強いなあ。
──そうだ、気配を消したり表したりするってのはどう?
「うん、やってみるね」
しーん。
──おお、できるじゃん。
そして、いきなり騒ぎ出す。
ぎゃー、うおーー。
そしてまた、気配を消す。
なあんてゲームを繰り返したのだが、こちらも疲れる。なにしろ騒がしい。
 ▽
──そうだ。あかりちゃん、こないだコピー機を分解した部品があるでしょう。あれであそぼうか。
「うん、いいよ。じゃあもってくるね」
分解して出てきた歯車。バネ。集積回路。光ってる。動かせる。
歯車と歯車を重ねていくと、回転方向が違う。それにコードを巻き付けたり、部品を載せてクルマにしたり。工夫次第でいろいろ遊べる。
これは飽きることなく楽しそう。
──うん、明日は掃除機を分解してみよう。そのうち、電子レンジやら洗濯機、次々と分解して、あかりの宝物を増やしていこう。
「うん、それがいい、それがいい。はやく、明日が来ないかなあ。楽しみだなあ」
あかりは、組み立てた部品を枕元において、寝たのだった。