過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

取り憑かれると、余裕が出てきて、仕事もラクラクになって、いつも楽しくなってしまう、そういう妖怪っていないかなあ。

──おとうちゃんが起きようとすると、ダメーと言って取り付いてくる妖怪がいるね。パソコンで仕事していると、膝に乗ってきて邪魔をする妖怪がいるね。

いつも寝るのは20時。あかりよりも早く眠ってしまう。
起きるのは2時とか3時なんだけど、あかりが目を覚ましていると、ぐわしっとつかまれて、起きられない。

今朝も、起きようとすると「だめー」といって、とりついてくる。けれども、そのまま寝るのは苦痛なので、瞑想スタイルになる。すると、ひざにのってきて、後ろに反り返って倒そうとする。ふんばる。戦いが始まる。そんなこんなで、結局、7時まで布団の中にいた。
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あかりは、近ごろ、妖怪を探求している。

「おとうちゃん。トイレの花子さんと、プールで泳いでいると水の中からぬーっと手がのびてくる妖怪とどっちがこわい?」

──うーん。どっちもこわいなあ。だけど、いちばん怖いのは、夜中にトイレに入っていると、トイレの中からぬーっと手が伸びてきてお尻をさわる妖怪だと思う」

「うわあ、それはこわいね」
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こんな妖怪がいるよと、毎日報告してくれる。たとえばこんなヤツ。

人面犬」……顔が人の顔をしているイヌ。ごみ箱をあさっている。その時、声をかけると「ほっといてくれ。ほっといてくれ」といって、去ってしまう。(あかりがこの文を書いていると、画面を一緒に見ていて「行ってしまう」んじゃなくて、「去ってしまう」というほうがいいんじゃないと、添削してくれた)

「いそがしい」……いつも「いそがしい、いそがしい」といっている。人が取り憑かれると、「ああ、いそがしい、ああいそがしい」と、忙しくなってしまう。(自分は、いつもそれに、取り憑かれているかも)

取り憑かれると、余裕が出てきて、仕事もラクラクになって、いつも楽しくなってしまう、そういう妖怪っていないかなあ。