仕事していると、あかりがまとわりついてくる。
──うるさいなあ、あっちいってて。絵本でも読んでたら。
そう言っても聞かない。
仕方がない。一緒に絵でもかくか。
「おとうちゃん、なにかこわい絵をかいて」
──うん。そうだなあ。じゃあ、こんなのは?
万年筆で黒のインク。龍とか恐竜とか、お化けみたいなのを描いた。
その絵と水筆(筆ぺんで、水が出てくる)をあかりに渡す。
万年筆のインクだと、描いた後でも水筆でぼかすことができる。
それがなかなかいい味わいとなる。
あかりはせっせと水筆で線をぼかしたり、重ね塗りしたり。
「もっとかいて」というので、絵本をもってきて、それを参考に、はいキツネ、オオカミ、シカ、コブラ、キリン、ラクダと次々と描いては、あかりに渡す。あかりは、それをぼかしたり塗り込んだり。めちゃめちゃにしたり。わりと楽しんでいた。
しばらくそれで一時間くらい遊んでいた。
「勉強しなさい」とか「九九は言えるようになった?」とかは、やはりおもしろくはないだろう。
万年筆と水筆。このツールで、なにか展開していくかもしれない。
子どもとの遊びは、日々、ツール開発。表現開発。