過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

百均でリアルに計算を学ぶことに

「おとうちゃん、百均に寄ってよ」。
まちなかに出ると、あかり(7つ)は、いつもかならず言う。しつこく言われる。
「はいよ。わかったよ」
百均に寄って、自分でおもちゃをあれこれと思案してはきめて買うのが好きなのだ。
買うのは「3つ」までときめている。
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おもちゃを選んだら、精算させる。
ところが、なかなか計算はスムースではない。

「ひとつ110円だから、3つでいくら?」「うーんと、わからない」。
「110円は100円といくら?」「……10円」
「そうだね。じゃあ、100円が3つでいくら?」「……300円」
「そうだね。じゃあ10円が3つでいくら?」「……30円」
「それで、300円と30円を足すと」「……330円」
「ぜんぶで3つ買って330円というとだね」「……うん」 
 
「そしたら、いま財布にいくらある? ぜんぶだしてごらん」
「はい、この100円玉3つと30円3つだね。レジでそれを出して買ってごらん。レシートももらうんだよ」
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というように、自分で精算するようにしている。
レジのおねえさんも、気長に付き合ってくれていた。

こういうリアルな買い物の場で、計算が使える、計算が大切ということをわかってもらおうとしている。「ににんがし、にさんがろく……」とやっても、「現実生活でこうやって必要なんだ」ということが腑に落ちれば、計算の練習にリアリティがでる。身につく。
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あかりは、百均でなにが買えるのかは、目で見て買ってみて、わかってきている。

それで、生活のリアリティは100均がベースだ。100均が基軸通貨みたいなもの。

クルマにのるとき、助手席に座るとシートベルトしなくちゃいけない。
「シートベルトしないと、もしもの時に危ないよ。それにね、おまわりさんにみつかると、1万円とられるんだよ」
「1万円ってどれくらい?」
「そうだね。百均のおもちゃが100個買えるんだよ」
「そんなに買えるの。すごーい。1万円とられたらもったいないね。じゃあ、ベルトしなくちゃ」
そんなやりとりになっている。

親からのお小遣いだけじゃなくて、こんどは、外の人にモノを売って稼ぐということを教えなくちゃ。来月、露天をひらいてトライしてみるつもり。