過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

「破壊はいつかは起きる。いつかは必ず死は訪れる」ということを、しかと念じて。

地震、水害、風害、土砂崩れ。ますます年々ひどくなっていく。
私の暮らす浜松市天竜区も川の氾濫や土砂崩れで、あちこち破壊された。
ここから30キロくらいの二俣地区では、橋が落ちたり、床上浸水。高さが160センチ以上も水に浸かったようだ。
--------------------
うちも不安になるな。ここは川まで徒歩5分。しかも二つの川が合流するので危険性は高い。川のそばの山の土砂崩れをしたら、川は氾濫する。建物は水浸しだ。また、いまは空き家にしているが、もと住んでいたところは、土石流が発生しそうな地形だ。

かといって、いまさら、そういう心配のないところに移住するわけにもいかない。金もエネルギーもない。

そもそも、どんなところに行こうとも、そこが安全とは限らない。

たとえば、日本のいたるところに原発がある。この山里でも、浜岡原発などは直接にして60キロ。東南海地震津波が押しよせたり建屋が倒壊したら、風向きによってはもろに放射能を浴びる。
-------------------
天災だけじゃない。戦争が勃発したらもはや逃げようがない。

安倍内閣は、集団的自衛権行使容認を閣議決定した(2014年7月)。日本が攻撃されていなくても、自衛隊の海外での武力行使が可能の道を開いた。自衛隊が戦場に出て行けば、武力行使が限りなく広がっていく。

アメリカの軍事的要求に基づく日米防衛協力の指針(ガイドライン)てのがあって、それと一体で法制化が勧められようとしている。

このところ、台湾有事が臭う。日本は、自衛隊は台湾と中国の戦いに参加することになってくるのか。アメリカは戦争を起こして経済を循環させ地帯。そのアメリカの下働きになって自衛隊は戦争に行くのかもしれない。

--------------------
そうなったら、中国にしたら、もはや台湾もアメリカも日本も区別がない。
本気で中国と戦ったら、日本はひとたまりもない。
55基もある原発がミサイルでやられたら、もうだめだし。

そんな事態はどうなねかわかにないが、ひたひたと押し寄せる食糧危機、エネルギー危機、物価高騰。ウィルスも次のが来そうだし。来年はまったく予断を許さない。

安全なところなし。「三界は安きこと無しなお火宅の如し」(「法華経」譬喩品)
--------------------
ではどうしたらいいか。
まずはなんとか自給自足への道。田んぼと畑とニワトリ。井戸堀に薪の用意。

地震、風水害に対してはどうしようもない。濡れては困る荷物だけは、さっと屋根の上に上げられる用意はしておくくらいか。でも、家が流されたらそれもおしまい。

戦争に対しては、どうしようもない。
政権交代アメリカ追随の体制を変えるなど、並大抵なことではないし。
--------------------
だめになっていく。破壊されていく日本のありようを、観察していくしかないのか。

まあ、死ぬときは死ぬ。起こるべきことは起こる。
それはそれで、仕方がない。

といって、なにしないわけではない。
とにかく、毎日、やるべきことはたくさんたくさんある。些末なことから大事なことから。
それを、たんたんとこなしていく、きちんとこなしていくということしかない。

「破壊はいつかは起きる。いつかは必ず死は訪れる」ということを、しかと念じて。
--------------------
明け方、ブッダの説いた「ダンマパダ」をひらいてみた。

6「われらは、ここにあって死ぬはずのものである」と覚悟をしよう。――このことわりを他の人々は知っていない。しかし、この知る人々があれば、争いはしずまる。」

128  大空の中にいても、大海の中にいても、山の洞窟に入っても、およそ世界のどこにいても、死の恐怖のない場所は無い。

286  「わたしは雨期にはここに住もう。冬と夏にはここに住もう」と愚者はこのようにくよくよと慮って、死が迫っているのに気がつかない。

287  子どもや家畜のことに気を奪われて心がそれに執著している人を、死はさらって行く。――眠っている村を大洪水が押し流すように。

91 こころをとどめている人々は努めはげむ。かれらは住居を楽しまない。白鳥が池を立ち去るように、かれらはあの家、この家を捨てる。

25 思慮ある人は、奮い立ち、努めはげみ、自制・克己によって、激流もおし流すことのできない島をつくれ。

35 心は、捉え難く、軽々とざわめき、欲するがままにおもむく。その心をおさめることは善いことである。心をおさめたならば、安楽をもたらす。