過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

その損害賠償が1400万円というのだが

愛犬(ラブラドールの大型犬)が、よろこんで両足をかけたところ、おばあちゃんが転倒して骨折。その損害賠償が1,400万円という。現金がないので、土地と家を売却して損害賠償に充てるという。

土地と家を売却してしまったので、愛犬とともに暮らす家がない。

どんなにさがしても、まちなかのマンションは貸してくれない。ということで、困りに困って相談に来られたMさん。

けっきょく、ぼくの暮らしていた家を貸すことにした。8部屋あって、ワカコとともに暮らしてもオッケーだ。農地も含めると1,700坪もある。ムダに広いし、ジャングル状態だ。きょうは一緒に草刈りして、片付けをすることになった。
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損害賠償については、互いに弁護士を立てて、和解調停中だという。

Mさんから、その事情を聞くと、どうも腑に落ちない。

①いくらなんでも1,400万円って高すぎないか。医療費700万円、慰謝料700万円というが。

②被害者が高額療養制度(どんなに医療費がかかっても月に10万円に抑えられる)を申請してくれれば、月10万円で医療費はずだ。それに、入院中に検査すると、ガンがみつかって、その手術代も含まれているとか。それって、愛犬の与えたケガとの因果関係がない。

③弁護士は、「このままだと1400万円の賠償金払わなくちゃいけなくなる。現金がないと、差し押さえされる。競売になって、安値で叩かれる。いまのうちに、土地と家を売って現金にしておくのがいい」とすすめてきたという。それで、Mさんは土地を売却したのだ。

④しかし、和解が完了していないのに、1,400万円の賠償金とはおかしい。和解不成立で裁判になっても、1,400万円の判決が出るとは思えない。

⑤しかもだ。その弁護士は、土地と家を売却したお金を、自分のところに振り込むようにと指示してくるという。ますますおかしい。
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ということで、こういう場合は、直接、当事者に聞くのがいい。そう思い立って、Mさんの前で依頼している弁護士に電話してみた。

──いまMさんの移住相談を受けているものなんですが、調停の進捗など、事実関係を聞きたいのですが。

「まだ調停中だから、はっきりしたことは言えない」
ものすごく高圧的な態度。

──かいつまんで現在の概要を話していただけますか。依頼者のMさんもここにいますし。

「だから、いま調停中なんだ。あなたは弁護士不信で電話してきたのか。弁護士不信なのか!」
とえらい剣幕で、一方的に電話を切られた。

ううむ……。これは、かなり問題のある弁護士だ。物腰といい、礼節といい、あかん。

そんな弁護士に高いお金を払って(もうすでに50万近くも)調停してもらっても、うまくいかないんじゃなかろうか。

すでに支払った費用はあきらめて、もうすこしまともな弁護士に依頼したほうがいいのでは、とおもった。

ま、乗りかかった船でもあるので、和解に関わる資料を精査して、動いてみることにする。まあいつもことで「やってきたご縁」と。