過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

お父ちゃんはいつも敗れて従わざるを得ない日々

あかりは、その気になったら、有無を言わさずやろうとする。「待つ」ということが難しい。

せっかく仕事に取りかかったのに、手を引っぱって連れて行こうとする。「待って」といっても、まったく許してくれない。

「はやくいこうよぉ。はやく、はやく」。

───まだ待ってよ。いま仕事しているんだから。あともうすこし。いまいそがしいんだから。

「いそがしいといったって。ここは、ちゃんと掃除してないし、ぐちやぐちゃじゃん。そんなこともしてなくてどうするの」。

───えーい。うるさい・うるさい。うるさいぞ。

「それはおたけびであって、うるさいというのは、言われるのがいやなだけんでしょう。あかりちゃんは、わかっているんだからね」。

おとうちゃんを、やりこめることが多くなってきた。お父ちゃんはいつも敗れて従わざるを得ない日々。あかりは、やっと6つになった。