過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

体が動けなくなったらどうするかという話で盛り上がる

通所介護施設を経営しているので、利用者さんとよく話をする。
利用者さんのほとんどは80から90代。
ある方は、夫も子供も亡くして一人暮らし。圧迫骨折を繰り返し、体も弱ってきている。緑内障視野狭窄、目が見えなくなってきている。
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もしも転倒でもしたらもう病院行き。二度と家には戻って来れそうもない。これから先どうしたらいいのか。毎日、不安でたまらないと言う。
あと何年生きられるかねえ。5年? いやそんなには無理。じゃあ2年。うん、それくらい。
しかし、2年といったらすぐだねえ。お互い、この夏を乗り切れるかどうか。先のことはわからないねえ。
そんな話になるのであった。
フランクにフツーの日常会話調でやり取りするので、みなさんけっして深刻にはならない。
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しかし、体が動けなくなったらどうするか。リアルなことだ。
近くの特別養護老人ホームに入って、そこで終末を迎えられるか。
できるだけ、なんとしても家に暮らしたい。けれど、体が動かなくなったらどうしようもない。
もしも、近くの施設が空いてなかったらどうなるのか。他の町の施設に入るのか。いっそのこと、故郷の温泉のあるところのホームにいくのはどうか。温泉も近くだし、妹もいるし。
どれどれ、どんな施設があるのか観てみましょうか。ネットで検索して、その施設の様子を見たり、地図で調べたり。
ともあれ、家でじっとひとりでいるとウツになってしまいそうなので、こちらでおしゃべりするのが、ライフラインになっている。
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似たような状況の人、もっとつらそうな人、そんなの関係ないわと淡々と聞いている90代の方。いろいろだ。こうしてお互いに語り合い、分かち合うだけでも気持ちがラクになる。
頃合いを見て、じゃあ、歌でも歌いますか。
シャボン玉、てるてる坊主、九段の母、喜びも悲しみも幾歳月、君恋し、東京だよおっかさん。
童謡に唱歌昭和歌謡を20曲くらい歌うのであった。