過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

眠れる人と眠れない人


毎日、よく眠れないと言う利用者さんがいる。睡眠導入剤を飲んでも眠れないと言う。
私も不眠症は長いので、そのつらさはよくわかる。

──どうですか。よく眠れましたか?
「だめ、まったく眠れなかった」
「2時に目が覚めてから、もんもんとしてたわ」
そんなやりとりがよくある。

ところがに枕に頭をつけたらすぐ眠ってしまうという利用者さんもいる。
眠れない人とよく眠れる人との会話。94歳と87歳の女性のやりとり。

「眠れないなんて考えられないわ。だって、夜って寝るためにあるんでしょう。」
──それは理屈はそうだけど、眠れないんですよ。

「眠れないなんて、考えられないわ」。
──すぐ眠れる人なんて、考えられないわ。

眠れる人は眠れない人のつらさはわからない。
眠れない人は、すとんと眠れてしまう人のことを、まるで奇跡のようだと思う。

眠れれば辛いことがあっても、悲しいことがあっても、体が疲れても、翌朝にはすっきり回復できる。

眠れない人はほんとに眠れないんだ。眠れないから疲れて疲れて、つらい。そしてまた、眠れないということを繰り返すことになる。日々疲れているという現実がある。