過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

支払不能となり裁判所に自己破産の申し立て

親しい出版社が、支払不能となり裁判所に自己破産の申し立てをした。負債総額1億円。
草創期から深い関わりがあったし、著者、編集者も知っている人が多い。次のステージはどうなるか、考えてみた。
①自己破産になり、裁判所が破産管財人を選任した。破産管財人が、債務者(出版社)の財産を管理して、すべての債権者に公平に分配する。
②債権者は300名余。債権の規模に応じて、分配される。担保がある債権者が優先的に回収する。社員の賃金も優先される。まあほとんどの債権者は回収できない。無い袖は振れぬわけで、泣き寝入りとなる。
では、出版社が築き上げてきた貴重なコンテンツ(出版物)はどうなるのか。
自己破産したのだから、版権は消滅。著作権は、著者にあるので、著者が他社から発刊することは可能と思う。
では、この先、どうなるのだろうか。
①社員の有志が「新社」を立ち上げて、コンテンツを継承していく。それが望ましい。しかし、リーダーがいるのかどうか。なにより資金をどうするか。
さらには、出版の場合、東販と日販が書店流通の7割を握っている。そこに口座のない新社では、取引ができないとなると、販売が難しい。
②有力な出版社、あるいはスポンサーがあらわれて、債権をひきとって、事業を継承する。コンテンツがいいので、現れるかもしれない。出版不況だから、どこも手を出さないかもしれない。
③それらが難しいことになると、売れそうなコンテンツは他社が買い取る(著作権者と契約して出版)というかたちで、これまで築き上げてきたコンテンツは散逸していく。

ということで、明後日、ZOOMで社員、編集者、著者と打ち合わせ。ぼくは情報をつなぐ役目になればいいかなと思っている。