過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

大好きなお父ちゃんとお母ちゃんが仲良くなりますように……

あかりは仏像が飾ってあるところに行って、置いてあるリンをゴーンと鳴らす。
 「大好きなお父ちゃんとお母ちゃんが仲良くなりますように……」
合掌して、唱えていた。
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妻と口喧嘩になることがある。
お互いに譲らない。反撃に次ぐ反撃と。
 あかりがいるときは、なるたけ喧嘩しないようにしている。それでも喧嘩になることがある。そうした戦いの時、双方の波動は荒くなる。
 そばにいたあかりは、いたたまれなくなって、怖くて泣き出す。
でも、口喧嘩は収まらない。
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そうしたときに、あかりはリンをゴーンと鳴らしたのだった。
 あかりの祈りで、すこし収まったものの、まだ内心ムカムカしている。
 あかりが、近くに寄ってきた。
耳もとに口をつけて、「おとうちゃんのこと大好きだよ」。
内緒話のように二度。
 「どうして内緒話にしたの?」妻があかりに聞く。
「声に出したら恥ずかしいから……」と、あかり。