過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

おどろくのはビッグデータのすごさ 中国

中国のすごさは、その経済成長力。14億の人口という巨大なマーケットと購買力。一党独裁の政治力。
 
そして、おどろくのはビッグデータのすごさ。
人民の個別情報がビッグデータとして把握されている。人権やら自由など、有無をいわさず。
 
コロナ禍には、その強さが発揮される。陽性患者が出たら、接触した可能性のある市民を即座に調べ上げ、半強制的にPCR検査を受けさせ、感染の拡大を阻止しようとするだろう。
 
以下、野口悠紀雄「AI入門講座」から一部を抜粋した。
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現在の中国には、政府が運営する全国民の個人番号システムがある。
 
中国では、満16歳になると身分証を交付される。ICチップが内蔵されており、氏名・性別・民族・生年月日・住所、顔写真、そして「公民身分番号」が記録されている。
 
これは、公安部(警察を担当する中央官庁)が管理する。公民身分番号は8桁の数字であり、納税や銀行口座開設などの際に必要とされる。ホテルに宿泊する時や、高速鉄道や飛行機の切符を買う時にも提示が求められる。監視システムを運用する基礎は、こうしたデータベースだ。
 
身分証は、2017年末から電子化(オンライン化)される。現在は限定的だが、いずれ全国に拡大される。そうなれば、政府にとってさらに強力な国民管理の手段になるだろう。
 
警察は、標準的な情報収集の際においても、指紋や手のひら採取、顔写真、尿およびDNAサンプルといった生体認証データ、そして音声パタンを収集する。公安部のデータベースには、10億人以上の顔データと、4000万人のDNAサンプルが記録されているという。
 
そうしたデータは、公民身分番号とリンクされ、銀行口座記録や、高速鉄道や飛行機での旅行、そしてホテルの滞在記録などの詳細な個人情報と統合管理される可能性がある。それだけのデータがあれば、かなり詳細に個人の行動追跡することが可能だろう。
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野口悠紀雄「AI入門講座」東京堂出版 2018年発行)