木下恒雄さん(86歳)から電話をいただいたので、訪ねた。
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これまで、林業史、茶業史、災害史、村落の成立史など、30冊余の著作がある。「お茶の文明史」「山林の思想」「遠州林業史」「嫁取り婿取りばなし百話」「山国兵士の出征ものがたり」『山の人生 川の人生』「自然災害史」「山里にやってきた文明開化」など。
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一冊の本を仕上げるのに100~300人くらいに会う。テープレコーダなど使わない。メモして頭の中に記憶している。これらは、警察官時代の聞き取り調査の体験が元にある。
また、資料の収集も半端ない。国会図書館から明治時代の新聞をコピーして送ってもらい、克明に災害の年表をつくり整理して書いた。
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書斎だけの人ではない。毎年100本ものサクラの苗木を河川敷に植えてきた。10年以上も続けたから、累計千本以上にもなる。幼稚園児のために芋作りも、20年以上もされてきた。
ワープロなど、まだ世の中になかった時代、本を書くために和文タイプライターを独学で習得した。活字を拾いながら原稿を打ち込んだ。それで本を3冊つくった。その和文タイプライター3台をもらってほしいというのだ。