過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

とんとん とんからりと 隣組

利用者さんから、「隣組」の歌を歌ってほしいと言われて、メロディーと歌詞を覚えた。なかなかいい歌なんだけど……。
 
1. とんとん とんからりと 隣組
格子こうしを開ければ 顔馴染み
廻して頂戴ちょうだい 回覧板
知らせられたり 知らせたり
 
2. とんとん とんからりと 隣組
あれこれ面倒 味噌醤油
御飯の炊き方 垣根越し
教えられたり 教えたり
 
3. とんとん とんからりと 隣組
地震や雷 火事泥棒
互いに役立つ 用心棒
助けられたり 助けたり
 
4. とんとん とんからりと 隣組
何軒あろうと 一所帯(ひとしょたい)
心は一つの 屋根の月
纏(まと)められたり 纏めたり
 
作詞:岡本一平 作曲:飯田信夫
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隣組(となりぐみ)は、大東亜戦争の最中に各集落に結成された。大政翼賛会の末端組織。国家総動員体制、戦争総動員体制を支えた。
 
5軒から10軒の世帯で一組。住民動員や物資の供出、統制物の配給、空襲での防空活動などを行った。思想統制や住民同士の相互監視の役目もはたした。
 
過度に同調圧力が強いのが日本の特徴。「何軒あろうと 所帯(ひとしょたい)心は一つの 屋根の月 纏(まと)められたり 纏めたり」と。
 
こうした相互監視社会、自粛警察社会みたいな社会は、なんとも息苦しいとは思う
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もともとは、江戸時代の「五人組」「十人組」という、村落の相互扶助、相互監視の社会の流れだ。
 
こうした流れから、いまの町内会もできている。いまも回覧板など、まわしている。
 
ある利用者さんには、ひとり暮らし。圧迫骨折で腰を痛めて、歩くのも苦しい。そういう方にとって、回覧板を回すのは、すごくたいへん。山奥の暮らしの人など、はるばる坂道をあがったり下りたり。炎天下のときなど、事故にもつながる。まことに気の毒。
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ときどき、代わりに回覧板を届けて差し上げることもある。
 
さて、回覧板の中身はというと、暮らしに役に立つ重要なこともあるかもしれないが、農協で扱う商品の広告だったり、神社の大黒様の神札の申込だったり、自衛隊の募集だったり。どうでもいい案内だったり。なんとも、無駄というか、かなしい現実もある。
 
菅さんは、『自助・共助・公助で信頼される国づくり』という。この「共助」のところが、あれやこれや監視したり、監視されたりする社会になっていくのかもしれない。さてさて、どうしたものか。