過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

明日は、敗戦記念日。なぜ日本は負けたのだろうか。

「勝てるはずのない相手と戦った」。
なにしろ相手は、あのアメリカ。当然といえば当然。
「精神論では勝てない」。
日本は得意の奇襲攻撃で勝てると踏んでいたのか。義経の「ひよどり越え」、信長の「桶狭間の戦い」、楠正成の電撃戦のようなし。「敵は幾万ありとても……石に立つ矢のためしあり」の精神論。武運や神の力、神風頼み。
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「戦線を拡大しすぎた」。
中国と戦った。ソ連と戦った。アメリカと戦った。オランダの植民地のインドネシア、イギリス領のマレー半島ビルマ、セイロン。フランス領インドシナ、東アフリカ。さらにはビルマの高山を超えてイギリス領のインドにまで攻め込もうとした。
いくらなんでも、拡大しすぎ。兵力を集中できず、前線部隊は孤立していった。
アジアの盟主としてアジアを白人から開放する。「大東亜共栄圏」「八紘一宇」と理想的には公言していた。
しかし、戦線を拡大したのは、石油を奪うためであった。
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「物流・兵站が弱かった」。
石油をうばっても、補給路はズタズタに切られ、それぞれの部隊は孤立した。輸送船はほとんど沈められた。石油がなければ、軍艦も戦車も鉄くず。
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「いまさら撤退できない」。
不意打ちの奇襲攻撃は勝つこともある。次々と戦線を拡大し「勝った、勝った」と大本営発表。国民は提灯行列。
拡大には勢いがあるが、やがて持久戦となれば、兵站が尽きる。物資は尽き食料がもたない。兵士は病に倒れる。飢餓で倒れる。
ずるずると膠着。一矢報いようと、特攻隊。多くの若者が散った。やがて玉砕。最後は本体の日本は無条件降伏。撤退は難しい。
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「わが身に照らして何を学ぶか」。
拡大路線を取らない。ひとつの拠点・フィールドをたいせつにして、じっくりと長期にもちこたえるような生き方を。
「勝てない相手とは戦わない」。
「精神論・総論はだめ。科学的に、具体的に各論で」。
「戦線を拡大しないで、集中する」。
ロジスティクス経理、財務をしっかりと」。
要するに、「彼を知り己を知れば百戦殆(あやう)からず」(孫子)。己れを知ることが難しい。行動してみて、戦って見て、やっと知らされる。もう遅いんだけど。
明日は、敗戦記念日。なぜ日本は負けたのだろうか。わが身に照らして、考えてみた。