過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

がけ崩れ警戒区域の山里

こういうところを毎日、クルマで運転している。雨が続くと、地盤が緩む。杉と檜の人工林ばかりだから、根の張り方が少ない。崩れやすい。がけ崩れ警戒区域になる。すでに大きな石ころが、道にたくさん落ちている。
そうしたところが、山里にはたくさんある。わが家もここの施設も、ハザードマップに入っている。がけ崩れ警戒区域だ。
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行政に100枚くらい施設の申請書類を出す時、「避難マニュアルを作れ」と言われた。川の近くで山などないのに、ハザードマップではそうなっていた。「それはおかしい」と言ったが、「マップにあるので」と言われた。仕方がない。
市に「底本となるマニュアルがあるか」と聞くと、「ない」という。「では、どのように作りますか」と聞くと、「他の自治体のを探して書け」と言われた。
それで、相模原市と神戸市のマニュアルをもとに作った。40ページになった。神戸市のをもとに作ったら、津波対策まで書いてあった。それを入れてしまうところだった。こんな山奥に津波など来るはずがない。
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この施設で想定される危険は、気田川の氾濫。川のそばの崖が崩れて、川を埋める。そして、氾濫する。
もっとも危険性があるのは、東南海地震浜岡原発が爆発すること。こちらは直線距離で60キロ。そうなったら、マニュアルもなにも、もうどうしようもない。みんな一人ひとり、「ダモクレスの剣」の下で生きているわけだ。
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※「ダモクレスの剣」常に身に迫る一触即発の危険な状態をいう。 シラクサの僭主ディオニュシオス1世の廷臣ダモクレスが王者の幸福をたたえたので,王がある宴席でダモクレスを王座につかせ,その頭上に毛髪1本で抜き身の剣をつるし,王者には常に危険がつきまとっていることを悟らせたというギリシアの説話にちなむ。

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