あかりが「肩車してーー」というので、よっこらしょ。
重たくてこちらはヨロヨロだ。さっきまで、草刈り1時間もしてたし。
──もう重たくてダメだよ。歩けないよ。
そう言うと「だめー、約束したでしょう」。
──あれれれ、約束なんかしてないよ。
「したした」。
おとうちゃんの小指をつかまえて、
「ゆびきりげんまん、針千本のーむ」と強引に。
玄関から外に出ると、カエルたちが賑やかだ。
げげげげげげ
きょろきょろきょろ
ぎょぎょぎょぎょぎょ
クビキリギリスだろうか、じーーーーーー、じーん、じーんと電気の変圧器みたいに、鳴き続ける。
なんとか歩きだすと、
足元にホタルがふわあ〜、ふわあ〜と舞う。
あっちに光る。こっちも光るよ。
「もっと、あっちこっち歩いて」
──はいよ。
川のほとりを歩き出す。
気田川の川の流れがどどどどどおーーと轟く音。
真っ暗ながら、もわあーーっと霧が薄白い。湿気がすごい。
草刈りとあかりの肩車で筋トレの一日。