過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

生きぬいて、どんな世の中になっていくのか、しかと見届けたい

「便利屋猿ちゃん」こと猿田さんに、週一に来てもらって、語らいの集いをしている。あわせて、パンや菓子、惣菜などを買うのも、利用者さんの楽しみのひとつ。
この山里には、店はほとんどない。高齢の方には、買い物は至難のこと。猿ちゃんは、そうした買い物難民のための買い物代行との便利屋の仕事をしている。
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現在76歳。春野に移住して20年余。この仕事をしてから15年になる。ひとり暮らしのお年よりのよき相談役、話し相手になっている。
「自分が訪ねてくることを、楽しみにしている方がいる。その方の役に立っていることが生きがいになっている。
元気に動けるうちは、つづけたい。定年退職して、暇を持て余している友人が多いなか、こうして現役で仕事を続けられることはありがたい」。
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現役で仕事をする張り合い、迫力が伝わる。ところで、どれくらいまで仕事を続けようとしているのか聞いてみた。
「自分としては、元気であるうちは働き続けたい。生涯現役だ。できるかぎり、生きて生きて生き抜きたい。
それは、いったいどのような世の中になっていくのか、それを見届けたいと思っているから」。
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なるほど。「生きて生きて、世の中がどう変わっていくのか。どんな世の中になっていくのか、それをしかと見届けたい」……そういう視点で「生きる」という意義を持つのもいいな。そこが新鮮な響きであった。

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