トイレットペーパーがなくなるなんて、ありえない。だけど、現実に在庫切れになってしまうと、買わざるをえない。うちのような施設だと、とくに困る。さいわい、かなりの在庫があるからいいけれど。マスクも。
「買いに走るのは、自分さえよければというエゴだ」という人もいる。けれど、実際にトイレットペーパーがなくなるわけで、困るのは自分自身。なので、買いにいかざるを得ない。
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「各人が自由な行動をとることで、最良の結果を生む、社会全体が幸福になる」というのが18世紀のアダム・スミスの経済学だ。大いに自由に行動しなさいと。背後には「神の見えざる手」が、人々をうまく導くという楽観的な思想がある。
ところが、現在のようなパニックになると、自由な行動が、最良の結果ではなくて、お互いに損になる最悪の結果をよんでいく。
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不合理だ、おかしい、ありえないとわかっていながら、みんながそうするので、従わざるを得ない。そして、みんなが不幸になってしまう。
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なにもかも、みんなが自粛する。経済は停滞する。大不況になる。ますます停滞する。さてどうするか。というと、自分だけはなんとか生活防衛するしかない。そうなると、トイレットペーパー買いみたいなことになるわけで、ああ難しい。