過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

相手があってこそ力が湧いてくる

利用者さんに、マッサージしたりヨーガやストレッチを教えると、こちらが元気になる。
「歌を歌いましょう」と、リードすると、歌っている自分がいちばんエネルギーをもらえる。
身体介助をしていると、自分の動作、相手の動きに鋭敏になる。自分の至らなさを思い知らされる。気づかせてもらえる。
なにを見ても、なにを聞いても、なにを読んでも、利用者さんにどう役立ってもらおうか、どういうふうに施設を運営しようか、というところにつながっていく。
自分のためだけだと、こういう力が出てこない。
相手があってこそ力が湧いてくると感じる。
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無量義経』(むりょうぎきょう)というお経がある。『法華経』の「開経」とされる。こういう言葉がある。
「未だ六波羅蜜(ろくはらみつ)を修行する事を得ずといえども六波羅蜜、自然(じねん)に在前(ざいぜん)す」
「修行」というのは、「身につく」「心身のありようが、定着する」というふうにとらえる。修行の目的は、「解脱」(苦しみを超える)にある。
そのために六つの行(六波羅蜜)がある。
六つとは、「布施」(ふせ:与えること)「持戒」(じかい:戒律を保つこと)「忍辱」(にんにく:辱めや苦難を耐え忍ぶ)「精進」(しょうじん:無雑・無心に怠らず邁進する)「禅定」(ぜんじょう:深い瞑想、あちこち飛んでいく思考の停止)「智慧」(ちえ:あるがままにみる)。
これらは、自分のためではなくて、相手のためにすることで、自然に六つの修行をすることになる。その力が湧いてくる、結局自分のためになる、と解釈する。
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デイサービスの経営は厳しい。リスクは大きい。ラクではけっしてない。
しかし、ありがたい仕事、学びのチャンス、心・たましい磨きの修行と実感する日々。子育てもそうだけど。
「山の修行よりも里の修行」と。