過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

ついの住処は浜松の山里がいいというのだが

Tさんが来訪した。いつも柔和な方であり、気持ちがほっとするありがたい友人だ。

ものづくりの工夫を重ねている、達人の一人である。竹だけで大きな倉庫を作ったこともある。

いまは、和紙づくりに励んでいる。不燃性の和紙を開発して、商品化したいという。立ち上げやルート開拓に費用がかかるだろうし、県や民間の助成事業の情報などもお伝えした。

二人の共通の友人にエンジニアのGさんがいる。中国の山東省で電気自動車をプロデュースしている。Gさんは、沖縄と中国の二点居住。浜松生まれであり、最終的には浜松に移住したいという。5年くらい前から、春野にもよく来られて、空き家などを案内した。

中国の電気自動車事情について、楽舎で講演をしてもらったこともあった。トヨタヤマハでエンジンを開発していた方であり、そういう文化的な方が山里に来てくれるのは、とても嬉しい。

ところでTさんは、2年前にもらい火で全焼し、土地がそのままになっている。Tさんがおられたので、Gさんには、その土地を買って家を建てたらどうか、という提案を電話でしてみたのだった。

半分はその気がありそう。ただやはり、年齢も80近くなので、これから山里に移住し家を建てるということになると、もったいないような気もする。また、いくら田舎がいいといっても、不便だし体力がいる。年をとると、どこか体は弱ってくるので、医療施設や買い物など、近くにあるような適当な田舎じゃないと、暮らしがたいへんだ。

ともあれ2月に春野に来られるという。あちこち案内しながら、ついの住処をいよいよ本格的に検討することになる。空き家を借りるのがいいか、古家を買うのがいいか。土地を買って家を建てるのがいいか。賃貸がいいか。

そもそも、どのあたりに住みたいのか。奥様はどういうお考えなのか。沖縄がいいのじゃないか、中国がいいんじゃないか。三人で電話のスピーカ機能をつかって、そんな話をしたのだった。ともあれ、縁があれば、すいすいと進むと思うけれど。