過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

ヴァネヴァー・ブッシュのビジョンからインターネットまで俯瞰

ビジョンを提示する力。これがとても重要。
アメリカはそういう力があった。日本にももちろんあったのだろうけど。

日本は、明治維新以来、欧化政策で、完成されたものをマネして、効率よく作るという方向でやってきた。キャッチアップの道だ。とくに、戦後はアメリカを模範にして、やってきた。

日本人の勤勉さ、協調性、教育が平均的に行き渡っていること、安価な労働力のあることなど、うまく組み合わさって、世界の中でも豊かな経済力を獲得した。しかし、バブル。以来、低迷。そして、衰退のいまがある。
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完成されたものがすでにあり、それをマネしてやすい労働力で大量生産するというパターンは、もはや日本の強みを発揮できない。むしろ、東南アジアにシフトしている。労働賃金でもはかなわない。

インターネットにみられるアメリカの「無から生み出していく力」に驚く。たとえば、GoogleFacebookAppleAmazonなど。そして、インテルAdobe

この道は、技術力もさることながら、ビジョンがあってこそ可能になったのだと思われる。

以下は、「IT全史」中野明著 祥伝社を参考にピックアップしてみた。
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ヴァネヴァー・ブッシュという人が、戦後、 コンピュータの将来ビジョンを提示した。 人の知能を増幅する装置の開発。この装置を「メメックス(MEMEX)」と命名した。「われわれが思考するごとく(As We May Think)という論文を出したのが、1945年。

メメックス(MEMEX)」は、「一種の機械化された私的なファイルと蔵書のシステム」と定義したうえで、「個人が自分の本・記憶・手紙類をたくわえ、また、それらを相当なスピードで柔軟に検索できるように機械化された装置。 オフィスの備品の一つになるだろう」と言う。「連想索引」の機能も有している。やがて遠隔地から操作できる。

これが、戦争が終わったばかりの頃だ。
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そこから トーマス・ワトソン率いるIBMが生まれ、やがて アラン・カーティス・ケイが 「ダイナブック」を構想する。

形も大きさもノートと同じポータブルな入れ物に収まる、独立式の情報操作機械。人間の視覚、聴覚にまさる機能をもち、何千ページもの参考資料、詩、手紙、レシピ、記録、絵、アニメーション、楽譜、音の波形、動的なシミュレーションなどをはじめ、記憶させ、変更したいものすべてを収め、あとで取り出せる能力がある。 そして、アルトという小型コンピュータを開発する。

そこから、ビル・ゲイツのMSーDOS、そしてAppleマッキントッシュが生まれていく。やがて 地球を覆う神経網としてのインターネットが誕生するのだった。