過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

ハザードマップと土砂崩れ警戒区域

デイサービスの開業申請書類には、「防火・防災マニュアルを提出」とある。せっせと作ったが、さらに「土砂崩れマニュアルも出すように」と言われた。

開業する施設は、川の近くにあり、平地だ。土砂崩れなど、まったくありえない。

そのように伝えたが、「いや県のハザードマップには、そこは土砂崩れ警戒区域となっているので」と言われた。

で、調べてみたら、たしかに土砂崩れ警戒区域なのだ(画像参照:藤の瀬ホタル公園のところが施設)。

気田川には杉川という支流が流れ込み、向こう岸は山になっている。土砂崩れを起こすと川に土砂が流れ込んで、氾濫する可能性はないわけではない、
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役所にしてみたら、県が決めたハザードマップなので、「土砂崩れマニュアル」をつくるのは、「必要な申請書類」ということになる。その妥当性を、行政と論議しても勝ち目はない。おとなしく作ることにした。

「マニュアルって。どのレベルまで作ればいいんですか。もとになるマニュアルはないんですか」と聞くと、「ありません。他の自治体のものを参考にしてください」という。ので、神戸市とか相模原市とか、適当に参考してにつくったのだった。
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さて、土砂崩れも、警戒すべきかもしれないが、浜岡原発からここは直線にして60キロだ。こちらの危険はとても大きい。

浜岡原発フィリピン海プレートの境界である駿河トラフに近接している。東海地震震源と予想される領域のほぼ中心にある。

南海トラフの巨大地震があれば、原発はだめになるだろう。そうしたら、被害が及ぶ。そんな可能性は十分にある。「原発に対しての防災マニュアルなど、市は用意しているんですか」と聞くと、それも「無い」という
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これだけ風水害などが多い時代に入ったのだから、ハザードマップによるシミュレーションは必要だろう。

しかし、行政が客観的にハザードマップを作ろうとすると、いろいろ問題が起きることだろう。

「地価が下がるからやめてくれ」
「住民の不安を煽るからやめてくれ」
「人口が減少するからやめてくれ」

「危険を認識していて、どうして行政は手を打たなかったのだ」と責任も及ぶ。そこを恐れるともいえる。

で、見直し、見直し、で適当に無難なセンに収めることになるのかもしれない。
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地震が起きれば、津波でこのエリアは全滅。川が氾濫すれば、このエリアは全滅。土砂崩れが起きれば、このエリアは流される。──日本各地、そんなところばかりだと思う。

「ここが絶対に安全」というところなど、おそらくない。

とはいえ、川や海の近く、山の斜面など、気をつけなくちゃいけない。古い地名なども調べて、過去の災害史なども参考にしなくちゃいけない。

かといって、わざわざ引っ越すのもたいへん。なんとかなるだろうとして、生きているわけだが。

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