「人を旅する」春野暮らしの案内③
昼食は十割そばの「一休」さん。向かったのは、はるか山奥の竹細工作家のGENさん。
部屋は神殿のように浄化されている。ものをひとつも置いてない。作業場にしても、シンプル。美しく整頓されている。道具の手入れも素晴らしい。
才能の安売りをしていない。たくさん売ろうとか、作ろうということはない。作品の質が高いので、口コミで自然と伝わり、多くのファンが求めている。いま作品をオーダーすると、なんと25年待ちだと言う。おお。それでも欲しいと言う方がいる。
春野に移住したのは、4年前。とても不便な山奥である。彼が移住した時、集落をあげて歓迎会をしてくれた。
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「村おこし」だの「過疎地の活性化」だの、ぼくは関心がない。ポイントは、つねに「人」である。「暮らし」である。人という点と点を結んでいく。それが、結果として山里の魅力発信につながると思っている。
なにより自分が楽しめなくては意味がない。山里に暮らす達人たちの暮らしぶり、生き方、才能、工夫と努力、いろいろと学ぶことが多い。不便な山里だが、そうした「人を旅する」というところが、おもしろい。それが、ひとつの大きなよろこびだ。
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※NPO法人「雲を耕す会」主催の春野の暮らしの案内。
①郷土史家の木下恒雄さんの講座と木材パルプ発祥の地・王子製紙の工場跡の見学
https://www.facebook.com/ichirin123/posts/2613261268712529
②「まほろば文庫」(私設図書館)で、遠藤医師の「看とりと平穏死」の話
https://www.facebook.com/ichirin123/posts/2613304325374890