自然災害で活躍してくれる自衛隊だが、勝手に判断して出動はできない。(特に緊急を要する場合は、要請を待たずに出動することはある)
まずは、災害のあった地域から行政に連絡がいき、県知事が自衛隊ら派遣要請するというながれ。
この山里だと、こんな感じかな。
集落の自治会長→春野協働センター→天竜区役所→浜松市本庁→静岡県知事→自衛隊に派遣要請
あるいは、集落の自治会長→地域の消防隊→天竜区の消防隊→浜松市本庁→静岡県知事→自衛隊に派遣要請
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県知事からの派遣要請があって始めて、自衛隊は動ける。厳密にいうと、防衛大臣またはその指定する者の命令により、自衛隊が派遣される。
自衛隊は「災害救助・国土警備」の意義も大きいが、実質、軍隊・戦力・武力装置なので、勝手に動かれたらえらいことになる。戦前の軍部は、勝手に満州帝国をつくって、政府が追認するかたちであった。
そこで、シビリアンコントロール(文民統制=軍事に対する政治の優先)ということが民主主義の基本。主権者である国民が、選挙により選出された国民の代表を通じ、軍事に対して、最終的判断・決定権を持つということだ。
しかし、いざ緊急性を要する時、県知事が派遣を待っていると、災害は広がる。そこで自衛隊が判断して現場に行く。しかし、県知事は要請してないので、それを断る。
今回、神奈川県山北町に給水車に対して、県知事が断り、水を捨てさせるということがあったわけだ。
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ちなみに、各地はこんな感じ。
栃木県知事は9時10分、第12特科隊に災害派遣要請。同隊は佐野市の秋山川の河川氾濫に伴う人命救助を開始。同40分に追加の要請を受け、鹿沼市の粟野川の氾濫に伴う人命救助のほか、塩谷町で孤立世帯を救助するための資材輸送に当たる。
静岡県知事は9時20分、第34普通科連隊に災害派遣を要請。小山町で住民の避難誘導に当たる。
長野県知事も9時34分に第13普通科連隊に災害派遣要請。長野市で起きた土砂災害の現場と、千曲川での人命救助を実施。
東京都知事は多摩川の氾濫が確認される前に災害派遣を要請。第1師団約30人で等々力1丁目付近で約80世帯の避難誘導をする。